Pearl COMPACT TRAVELER / パール コンパクトトラベラー (PCTK-1810BG) を叩いてみた! その1

初めて手に入れたドラムは、パールのChallenger MRKⅡという入門用のモデル。安かったせいか(といっても当時7万円台)、ドラム本体以外の耐久性が皆無で、シンバル類、ペダル、スローン等が次々と壊れて行き、結局少しずつ買い直して行くはめになった。今ではプレイテック辺りで、フルセットがサンキュッパで買えたりもするが、こんなもん、まともにプレイできるんだろうか?といつも思っちゃう。でも、案外良かったりするんだよね、あんなのが(笑)
さて、今回はパールのれっきとしたドラムセット(カタログ上もここに分類されている)、コンパクトトラベラー (PCTK-1810BG)のレビューである。購入したのは今年の2月頃なので、そろそろ4か月になる。購入に至った理由は、持ち運びが可能で、収納に困らないことが挙げられる。また、このコロナ禍の自粛期間中に集めた小径のシンバル類を上手く使いたいという目論見があって、シンプルかつ、必要最低限なセットが欲しかった。このコンパクトトラベラーはメーカーサイトや楽器屋でよく使われている写真だと、フルセットに見えるのだが、実際には、バスドラム、スネアの2点のみで、それらを繋ぐジョイントが一体化している(オプションとして、10”と14"のタムセットがあるのだが、今のところ必要ない)。実にシンプルで、本セットと、例えば、シンバルやカウベルのみの組み合わせなら、すぐに出張して、お店や河原(笑)でも演奏可能だし、重くはなるが、豪華シンバル7枚セットを組み合わせることも可能だ。ただ、なかなか購入に踏み切れなかったのは、実際の音だとか、持ち運びの利便性なんかは個人によって大分変って来るので、その辺りが不安であったというのが正直なところ。YouTubeなどもいろいろ参考にしてようやく購入に至った次第。

キャリングバッグ付きだが、本体重量が約10キロあり、ショルダーベルトで運搬するのは可能ではあるが、かなりキツイ。

脚部と、せり出し防止のロッドは、このように折り畳みが可能で、文字通りコンパクトに収まる。押し入れの端っこだったり、冷蔵庫の横の隙間だったりに見事に収まる!

では本題。このドラムセット、前述の通りバスドラムとスネアだけの組み合わせである。従って、最低限必要となるのはキックペダルだけという事になるが、現実的には、スローンと鳴り物も必要だろう。まあ、シンバルとカウベルがあれば何とかなると思うが、ハイハットの場合、アタッチメントを使ってセッティングすればスタンドは不要だ(といってもハットの開き具合は固定されてしまうが)。
本体のセッティングだが、バスドラ下部にペダルを固定するプレートとそれを支える折り畳み式の脚、更に演奏中の前方への移動を防止するためのロッドでセット全体を支えるのだが、床によってはせり出してしまうので、個人的に粘着式のカーペットを下に敷いて演奏するのがベストだろう。スネアとバスドラはクランク型のジョイントで固定されるが、スネアの固定部分はぐるりに取付穴が開いているので、ロッドを垂直にしても水平にしても取り付け可能だ。垂直の場合はカウベル等の鳴り物を容易に取り付けることが出来る。

COMPACT TRAVELER (PCTK-1810BG) のフルセット。ロッドを水平方向にセッティングした状態。写真では大きく見えるがスネアは10”とかなり小さめ。

こちらは垂直にセッティングした場合で、カウベル等がそのまま取り付け可能となる。

次に肝心の音の方だが、とりあえず付属のヘッドだと、安っぽい音しか期待できないので、ここは潔く交換してしまった方が良いだろう。自分の場合、手持ちのスネア(Ludwig Supraphonic LM402)に使用しているものと同じ、REMOのエンペラー(US仕様)に換装した。バスドラは想像している様なタイトな音ではなく、ボン突き感が酷いので、やはりそれなりのミュートは必要だ。因みに、付属のバスドラのヘッドはミュートリング付きの構造だがあまり効果はない。打面側には大きなPearlのロゴが入っているが、お客さん側からは全く見えないのであまり意味がない。
お次はスネアだが、まず10"とかなり小径なので、きちんと鳴るようにチューニングすると、かなり甲高い音になってしまうのだが、そもそもスナッピーが約10センチ20線、片側支持のネジによる圧着式なので、調整の幅があまりなく、ちょっとでも締めすぎると全く鳴らなくなってしまうので注意が必要だ。条件が合うのであれば、本物のスネアを追加して、こちらをタム代わりに使うというのもいいだろう。

ご覧の通りの簡単な構造。基本的にバラっとした様な音で、調整はなかなか難しい。

この項続く。