なんか、ウイスキーのレビューってのが久々な気がするが、結構書いてたんですよね、以前は。でも、スコッチとかもう際限がなくて、しかもあっという間に消えてしまう様な銘柄も多くて、それと、最近だと円安の影響をもろに被って、1本千円を切る様なものにはなかなか出会えなくなってしまったというのもある。
さて、そんな貧乏人の酒飲みに優しいウィスキーが、このサントリーのプライム「PRIME」。数年前からセブンイレブンやイトーヨーカドー、即ち7iホールディングス系列の店舗に並ぶようになったアレ(笑)。最近じゃあ、まずセブンやヨーカドーで酒類を買う事は無いので、避けていたわけじゃないけどなかなか買えずにいた一本だ。
値段は定価は877円(税込)と、トリスクラシックの実売価格よりも100円程度高いが、プライムは7i限定なので、特別な場合を除いて値引きは最初からないと思っていい。容量はトリス700mlに対し640mlとやや少ないがアルコール度数はどちらも37度となっており、まあ、サントリーウイスキーの最底辺品と考えていい(実は今、定価で一番安いのはレッドなんだけどね)。まあ、この辺りが手を出さないでいた理由のひとつでもある。一応、能書きには、「ブレンダーが五感を研ぎ澄ませて丁寧に作った、おだやかにスモーキー香るウイスキーです。」と書いてあるが果たして…。
この7iのロゴマークさえ無かったら、結構カッコイイラベルだと思うんだが…
では早速飲んでみる。まずはテイスティンググラスを使ってストレイトから。正直に言おう。まずスモーキーさはどこにもない。最初に感じたのは、オイリーで、まろやかである、が、その直後にかなりのアルコール臭が襲ってくる。オイリーなせいか、安ウイスキー特有のピリピリ感はあまり感じられないかな、と思った瞬間、余韻に浸る前に、唇が異常にひり付いて来る、というより痺れる感覚。トリスとは違うのは確かだが、別にそれはいいベクトルへ向いているわけではない。あと、近年の安ウイスキーにありがちな、カラメル色素を使った色付け味付けは強くは感じられないが、逆にこういうのにはもっと使ってもいいかなとすら思える。
さて、ここからはティースプーンで徐々に加水していく。一杯目で一気に甘みが倍増する。ちょっとグレーンウイスキーっぽくもあるが、逆にモルトはどこ行った?という感じ。加水2杯目になると、ピリピリ感が一層強くなり、唇の痺れも増してくる。3杯目になると、一気に腰砕け…というか、そもそも腰がないので、何というか、加水に負けてしまう感じ。
次にトワイスアップ。(最大に譲歩して)思ったよりも悪くはならない。というか、もう悪くなり様がないのかもしれないが、もうピリピリ感すらどこかへ消えてしまって、表現するなら、ちょっと酔っぱらってうとうとしていたらすっかり氷が解けてしまった時の水割りの様な味。
一応、最後にハイボール。これね、何もかもが一気にすっ飛んだ感じ。37度なんで、普通に作ってもそもそもが薄いんだが、オレの知っている薄っす~いハイボールを出す某ライブバーのハイボールみたいな味だ。いや、わからんだろ、それじゃ(笑)。
まとめ。やはり価格相応のウイスキー。というか、ブラックニッカ クリア同様、ウイスキーの様でウイスキーではないかな。ただ、食中酒として、気軽に飲めるという点はいいのかもしれない。要するに、食材や料理の邪魔をしないからだ。また、ウイスキーというか、お酒自体に大したこだわりを持たない人、つまり、居酒屋で楽し気にブラックニッカ クリアのハイボールを飲める人ならば、全くもって問題はない、お財布に優しいウイスキーということになる。