『ブラックニッカ リッチブレンド』を飲んでみた!

NIKKAより新しいウイスキー『ブラックニッカ リッチブレンド』が発売されたので早速飲んでみた。
名前からも判るように、ブラックニッカの直系であるが、問題なのはその位置付けである。小売価格は現在のところ、980〜1,380円と幅が広いので、価格からその位置を測る事は出来ないが、ブラックニッカブランド商品の紹介ページでは『スペシャル』『8年』に次ぐ位置で、下位に『クリア』がある。ご存知の通り、『クリア』はニッカに於ける最下位のブランドであるから(一部ではブラックニッカのブランドを冠する意味がないとも言われている)、そのひとつ上の位置付けと考えるなら、中身の方もおおよその察しが付くというものだ。
そんなわけで、大した期待もせずに購入したのだが、ボトルのデザインは、ちょっとばかり高級志向で見栄えは良い。ただ、ネーミングの"リッチ"ってのは、最近の流行に迎合したようで、ちょっと安易な気もしないではない。さて、早速頂いてみる。グラスに少量を注ぎ、鼻を突っ込むと、りんごと柑橘系の様なフレーバーが鼻腔をくすぐる。あれ?この辺りの雰囲気は『宮城峡』っぽく感じるが、リッチの能書きには確かシェリー樽を使用と書いてあるので、その可能性もあるか? さて、ひと口目。トロリとしたコクがあって、甘さと樽由来の苦味のバランスが良い。柑橘系の爽やかな香りが鼻腔から抜け、後味はすっきりとしているが、多少の苦味が残る。が嫌な感じではない。次にティースプーンで徐々に加水していく。最初の一杯で、バニラ風味が一気に花開き、チョコレートの様な香りと苦味が増すが、同時に後味も苦味が増す。二杯目で、何故かピリピリ感が強くなり、酸っぱさが強く出る。このまま一気にトワイスアップまで持って行くと、急に切れ味が増してすっきりするが、ちょいとばかり腰砕けとなる。やはりこの辺りで、このブランドの正体が見えてくる。最後にロックで頂いてみると、一気に味が締まる。なにか、このウイスキー本来の持ち味が全ていい方向へ出て、凄くおいしい。あれ?これってもしかして、こういった、いかにもウイスキー的な飲み方を狙ったブレンドだったのかな? そういえば、時期を同じくして、サントリーでは『プレミアム角瓶』なるものを発売して来た。なるほど、『リッチ』VS『プレミアム』=正統派の飲み方VSハイボール、という構図が見えてきた! 
しかし、この『リッチブレンド』はかなりいい線を行っている。これをあからさまに嫌いという人はそんなにはいないと思う。ただ、価格相応かと言えば、1,000円ならお買い得だが、1,380円では高すぎるといったところか。



『ブラックニッカ リッチブレンド』700ml 40° 高級感のあるボトルデザイン。