サントリー『プレミアム角瓶』を飲んでみた!

先日、ニッカの『ブラックニッカ リッチブレンド』の記事(こちら)で、このウイスキーサントリーが近々発売する『プレミアム角瓶』にぶつけて来た、云々と書き、サントリーの高級志向のハイボールVSニッカの正統派の飲み方の構図、みたいな事を書いたんだが、発売された『プレミアム角瓶』の価格設定を見て、この構図はまるっきり予想が外れていた事が判明したw なにしろ、『ブラック〜リッチ』の方は現在、価格が安定してきて、約1,180円程度なのに対して、『プレ角』の方は、標準小売価格設定が2,000円と、価格帯が全く違うのである。サントリーでこの価格帯には『リザーブ』があるが、その下だと『オールド』が来る。という事は、サントリーとしても、この新ブランドをかなり高い位置に持って来た事になる。以前発売されていた『北杜50.5』(ブレンデッド)と『北杜12』(モルト)はハイボールブームの煽りを食らって終売になり(恒常的な原酒不足に陥ったため、『北杜』用施設を『角』へ回した)、また、『膳』は販売力が低下したため終売になったりと、意外とサントリーのラインナップはスカスカ状態であったのだ。今回は"角"のブランドを冠する事により、ハイボールの高級志向化を目指したものと思われる。まあ、とにかく飲んでみなけりゃ始まらないので、早速いってみよう!


ボトルは角瓶を継承しているが、より高級なイメージである。

例によって、少量をグラスに注ぎ、鼻を突っ込んでみる。甘く芳醇な香りが鼻腔を満たすが、いやらしい甘さではなく、あくまでもソリッドな感覚。この辺りはいかにも角といった感じで好感が持てる。口に含むとメイプルシロップの様な甘さと適度な苦味が滑らかに口の中で交わる。この滑らかさは絶品で、アルコールの刺々しさは微塵も感じられない。後、余韻は長く、喉の奥から鼻腔までが濃厚な香りで満たされ、非常に長く留まる。次に徐々に加水して行き、トワイスアップまで。少量の加水で香りは甘さを増すが、よくありがちな酸味はあまり感じられない。トワイスアップにしても口に含んだ時のカスタードクリーム系の滑らかなさが舌にまとわり付く感覚が心地良い。余韻も長く、ストレート時の印象とあまり変化は感じられない。この辺りは、43度というアルコール度数にも支えられ、いかにもしっかりとしたボディを感じる。全く持って腰砕け感が無いのは、山崎、白州の両モルトをふんだんに使っている事に由来するのだろう。
今回の『プレ角』、濃厚かつ芳醇で、山崎、白州のいいとこ取りといった感がある。だが、あくまでも『角』というブランドであるところが最大のミソで、キレやクリアといったいわば『角』の特徴が半減しても、最終的には『角』の味、といった印象が強く残る。この辺りはブレンダーの力量を見せ付けられた思いだ。ただ、2,000円という価格設定はどうなんだろう? 例えば『角』を常飲している人が、今日は気分がいいからちょっとリッチに『プレ角』だ、という気分になるには少々割高な気がするのは、私だけだろうか?