ベビメタちゃん祭りだ、ワショ〜イ! BABYMETAL『METAL RESISTANCE』で震えろ! −その3−

発売日から約2週間経ったが、その間にベビメタを取り巻く状況は大きく変化した。まず、ウェンブリーのライブが大成功を収め、現地や日本の報道だけではなく、全世界から高い評価を得た。また、日本ではNHKで2014年の暮以来となる特番が組まれた。さらに、アメリカの人気番組"The Late Show"に出演し大きな話題を呼び、放送直後にNYのライブチケットがソールドアウトした。また、オリコン週間チャートにて第2位、UKチャートでは15位、そして、ビルボードでは39位にランクイン。特にビルボードの39位は1963年の坂本九以来の快挙となり、大手の新聞数社が取り上げた。アルバム発売直後は、その出来のよさから大きな話題になる事は予測できたが、まさかここまでの大きなうねりになるとは思わなかった。海外のメイトの間でも、この人気の急上昇には戸惑いがあるようで、よくありがちな、オレだけのベビメタが…的な、ちょっとした痛みを伴う喪失感を体験したようだ。


"The Late Show"でのパフォーマンス。こんなに狭いスペースでの演奏は珍しい。ひとつの画面に、メンバーと神バンド全員が収まっているが、その迫力に圧倒される! 神バンドのノリも最高だ。

さて、今回はレビューの最後となるが、通常盤以外に収録されたバージョンの評価となる。

EU盤 07.「From Dusk Till Dawn」。これを何というジャンルで表現していいのか、その知識を持ち合わせていないのだが、大量のリバーブが曲全体を覆い尽くし、SU-METALの裏声を使ったハイトーンが心地良い。崇高なまでのそのボーカルを頼りに、深い朝靄の中を彷徨い歩くような気分だ。

EU盤 12.「THE ONE - English ver. -」。海外向けのサービスとして全編英語詩で歌われるバージョンだが、そもそも半分くらいが英語詩だったので、うっかり気を抜いて聴いていると、どちらのバージョンか気付かなかったりするw 海外のメイトからの評はまちまちで、ベビメタは日本語で歌うからこそベビメタなのだ、といった海外に迎合しない事を美徳とする意見も多いし、もっと英語の曲を歌って世界的に認知されたいという意見もある。個人的には、日本語で歌う事がそのまま個性へと繋がっているし、例えば、日本原作の映画が、ハリウッド的解釈で制作されると失敗するのと同じ様な危惧がある。自分達が子供の頃からやっていた、英語の歌詞を日本語に翻訳する愉しみみたいな事を、今、英語圏の人々がようやく気づき始めたってところかな。

ファンクラブ限定盤 08.「GJ!-ご褒美編-」。未聴につき割愛。

ファンクラブ限定盤 12.「THE ONE - Unfinished ver. -」これも正確には未聴なんだけど、前述のNHK特番でラインナップされた。バックトラックはストリングスがメインだが、音数はあくまでも必要最低限で、荘厳さはない。静謐といった表現が的確だろう。


EU盤。プロデューサーのKOBAMETALによると、今回のアルバム三種(国内、EU、ファンクラブ)はそれぞれマスターに違いがあり、僅かにミックスの違う曲もあるのだとか。ファンなら買って損はしない!?

最後になるが、初回生産限定盤には2015年のトウキョウ メトロポリタン・ロック・フェスティバル(=通称、東京メトロック)出演時のライブDVDが付属する。こちらは全7曲で、パフォーマンスはもちろんの事、カメラアングル、コマ割り、編集共、非常に質の高い映像作品となっている。残念ながら初回限定盤のみ付属なので、現段階で入手するのは非常に困難となっている。

この項、完。