『大滝詠一 EACH TIME 読本』を読む

大滝詠一 EACH TIME 読本』(別冊ステレオサウンド)を買った。毎年3月21日に発売される大滝のリイシュー作品とほぼ同時期にに刊行されて、今回で4冊目だ。本書の主な編集方針は、作品がどの様な作業を経てリイシューされたかに尽きるのだが、当然ながら毎回エンジニアにスポットが当てられるわけだが、今回は他にアーティストやプレイヤー達にもインタビューが敢行されており、当時の貴重なエピソードが語られている。
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個人的に一番興味があるのは、40周年盤で使われたマスターテープの出自であるのだが、今回一番驚いたのは、『ロンバケ』の様にオリジナルのマスター(アナログ盤にのみ使用された)がダメになってしまっていくつかのコピーがメインとなっていたり、『トライアングル2』みたくマスターが一本しかないみたいな状況とは全く違い、この『EACH TIME』は複数のマスターが存在しているのだとか!つまり、オリジナル『EACH TIME』盤のマスター、『SINGLE VOX』用のマスターとはまったく別ミックスのマスターが複数存在しているのだという。確かにこの『EACH TIME』には膨大な数のミックス違いが存在するのだが、それはその都度作られたものではなく、既に存在していたものを使ったということか。実は今回の「40th Anniversary Version」という作業に対しては否定的であったのだが、「40th Anniversary Version」=「2024 Version」ではなく、当時大滝が作った別ミックスだったと判り一安心。つまり、全曲初出の正真正銘のオリジナルミックスのマスターから作成されたということ。これには心底驚いたのだが、実はまだ聴いてないんだよねVOX。いや、バンドのライブが終わらないと落ち着いて聴けないんですよ😢 それが終わったら大森さんからもゆっくり話が聞けると思うし😆