ユーロプログレの深淵。フォン・サムラ『1983』(Von Samla "1983")

先日私の所属するバンド、Madrid Consensus(通称:マドコン)がライブを行った江古田のFlying Teapotというお店。普段はプログレだとか前衛的な音楽なんかが流れている、アート系のカフェ。ライブ当日、ちょっと早目に着いたオレとKBの川崎さんは、いきなりその洗礼を受けることになる。なんか面白い曲。インダストリアル系っぽいね、こっちはカンタベリー系?とか話しながら耳を傾ける。曲によってはフロイドっぽくもあり、クリムゾンっぽくもあり、ゴブリンっぽくもあり、或いは天井桟敷時代のJ・Aシーザーっぽくもある。カウンターにあったCDジャケットと解説書を斜め読みして、家に帰ったら調べてみよう、なんて思いながら、すぐにセッティングに入って、その後ライブが終わったらすぐにバラシ。家に帰ったのが24時。翌日、別のバンド、Yukietty withグッとfriendsのライブのため浜松町まで。その打ち上げから帰ったのが23時。雨に降られて冷えた体を湯船に浸かって温めていた時、急に思い出した!Flying Teapotで流れていたあの音楽のこと!…あれ?なんだっけ? バンド名が全く思い出せない(笑)
 さて、ここからが大変。一応記憶していた事は、変なバンド名(笑)。アルバムを2枚出して解散。ドイツのバンド。アルバムタイトルが年号…19××でライブ盤。これだけ。丸一日かかって、ようやく判明したのだが、途中、お店に電話して訊こうかとも考えた(笑)…Von Zamla(フォン・サムラ)『1983』。

どうやって調べたのかというと、Discogsでジャンルをプログロックに絞って、タイトルであるはずの年号を1970から1年ごとに検索掛けた。1983だから14回目で辿り着いた。それと、このVon Zamlaというバンド名、ググってもなかなか出てこない。実はこのバンド、Zamla Mamas Manna(サムラ・ママス・マンナ)というバンドが正式名称で、その時代やメンバーが脱退・加入を繰り返す度にいくつもの呼び名があり(大抵はZがSになったりする)、そのうちのひとつがこのVon Zamlaなのだ。つまり、2枚のアルバムを出して解散という表現は少しばかりニュアンスが違うのかもしれない。また、ドイツのバンドってのは記憶違いで、正しくはこのアルバムが録音されたのがドイツでのライブだったってだけで、本当はスウェーデンのバンドだった。まあ、これでググったところで、正解には辿り着けまいて(笑)


youtu.be

早速YouTubeで調べてみる。これこれ! まるで1年振りに聴いたかのように愛おしい(笑)返す刀でCDを調べるも、案の定ほぼ全作品が廃盤。中古を探すも超高値安定。ようやく『1983』の状態「可」をディスクユニオン某店にて発見!送料込みで2,000円。それでもまだ安い方だ。早速注文して、着いたブツは、帯も付いた全くもって非の打ち所がないほどの超美品! 盤面を見るとなるほど、目立つ大きな傷が一か所。さすがユニオン、普通の中古屋なら研磨掛けて「非常に良い」で売っちゃうところだけどね。とにかくいい買い物した。