大滝詠一『EACH TIME 40th Anniversary VOX』を手に入れた!

大滝詠一『EACH TIME VOX』。

『EACH TIME』は数あるナイアガラ関連作品の中でも、カタログが一番混乱している作品だ。『EACH TIME』と『Complete EACH TIME』の2種類(厳密にいえば『EACH TIME SINGLE VOX』も含めた3種類)が発売されているが、それぞれが複数回リイシューされているし、収録されたバージョンに微妙な違いがあったり、ミックスが違ったり、曲数曲順が違ったり、まあ、これを全部揃えるのは至難の業って事なんだけど、前回の30周年盤では一応「Final Cut」のステッカーが貼ってあったが、もちろんそれで終わるはずもなく、今回の40周年記念盤の発売と相成った。

30周年発売の時は大滝の追悼盤の如き雰囲気になってしまったので、何か作品の持つ暗さも相まって、かなり聴くのに勇気が要ったのを憶えている。もちろん、聴けばすぐにあの頃へ連れて行ってくれるのだが、何度聴いても大滝の死が重くのしかかって来る。要するに、作品の持つ意味が発売当時とは少しばかり変容してしまったのだ。
そんな作品が、最近になってまったく別の意味を持つようになったのは、今のバンドでご一緒させていただいている大森さんが、このアルバムに参加していると知ったから。そして、今回このVOXに付属していたブックレットに、若き日の写真を見つけ、何故か胸アツになったりして(笑)。更に、24chのトラックシートにあの吉田保のアシスタントとしてその名が記名されているのをみつけ、またもや大興奮。なにしろ、このアルバムのほとんどの曲で、アシスタントとして参加しているのだから、こりゃ凄い!Studio All Nightersの筆頭として「Ω大森」がクレジットされているのも頷けるというもの。恐れ入りました!

というわけで、このアルバム、これから聴きます。どうせサブスクで解禁されるんだから、そんな高い金出して買う価値があるの?と言われるかもしれないが、まあ、物欲に負けて金を使うのも、これから先そんなにないような気もするので、せめて毎年3月21日にはお布施させていただきますよ。