ケルベロス

押井守のライフワークとも言うべき作品が、この「ケルベロス」である。一連のシリーズにおける初の実写が1987年の「赤い眼鏡」で、以降、藤原カムイによるコミックが書き下ろされたり、実写やアニメが制作されたりしており、約20年以上に亘って何らかの作品が散発的に発表されている。その最新の書籍が「ケルベロス 東京市街戦 首都警特機隊全記録」である。噛み砕いて言えばケルベロスの全設定資料集と言ったところだ。押井の他の作品=「機動警察パトレイバー2」や「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 」等との大きな違いは、これがいわゆる近未来モノではなく、ケルベロス(特機隊)を日本という国家に組み込むために、架空の世界に於ける“日本史”を作り上げているという点である。もちろんそれは、現実世界に於ける昭和史そのものと絶妙にリンクし、闘争の歴史を一層際立たせている。



※写真右が本書。左は1989年発行の藤原カムイ著「犬狼伝説」である。最新愛蔵版「犬狼伝説 特別総集編(仮)」が今年発売されるらしい。カネ使わせるなww

ケルベロス東京市街戦―首都警特機隊全記録 (Gakken Mook)

ケルベロス東京市街戦―首都警特機隊全記録 (Gakken Mook)