プラトニックである、のか? 今期アニメの話題を攫った『謎の彼女X』が終了した。
本題に入る前に、まずは訂正から。以前書いた記事では記憶が錯綜していた為、ふたりの間でファーストキスが交わされたかのような記述をしたが、あれは誤りで、それは、明の夢の中の出来事であった。そんなわけで、やってる事は相変わらず、よだれの交換がメインであるw まあ、ちょっとしたハプニング?で色々な出来事は起こるのだけれど、核心へと迫る様な展開にはなかなか至らない、極めて奥手なふたりの恋物語である。「ある。」という表現を使ったのは、この作品が、現在もコミック誌(講談社:月間アフターヌーン)で連載されている、現在進行形の物語であるからだ。
自分には、アニメや映画によってその作品を初めて知る場合、それを観終わるまでは、原作には手を出さない、という決め事がある(従って、『涼宮ハルヒ』シリーズなんぞは、読んでいない原作が沢山あったりするのだがw)。なので、この放送が終了してから、ようやく原作本に手を出した。まずはお試しで数巻。何よりも驚いたのは、この作品の精神的なフィット感。なんというか、これはリアルタイムの高校生には、古臭く感じるんじゃないか?と思えるほど、ふたりの恋愛物語が非常にゆったりとした速度で流れて行く。その理由は、例えば、ケータイだとか、PC(ネット環境)、シリコンオーディオ、みたいな、現代の必須アイテムが全く登場しない事に起因しているのかもしれない…などと考察を進めていると、なんと第4巻のあとがきで、作者、植芝理一自身によって、その辺りがしっかりと明言されていた。つまり、作者自身が少年期を過ごした80年代を意識してこの物語を描いているのだとか。作者は現在30代後半だそうで、恐らく、自身の高校生当時の時間の流れで、物語を構築しているのだろう。だからこそ、この、謎のフィット感を感じたのだろう。恐らく、40代以上の読者なら、この時間の流れは非常に共感できるはずである。
さて、最後に、作者とは関係のない部分での批判をひとつだけ。このアニメのOPとEDナンバーは、卜部美琴役の吉谷彩子がボーカルで、楽曲、歌唱供に、非常に出来が良く、CDの発売を切望していたのだが、なんと、この曲、OPがDVD及びBDの第1巻の初回限定特典、EDが第2巻のそれであるのだ! つまり、この楽曲のフルバージョンは、これらの作品を購入しない限り入手できないのである。もちろん、そのうちに、動画サイトなんかに投稿されるんだろうけど、だが、しかしである…、これって、物凄く商機を逸しているという事なんじゃないだろうか? だって、このCDを欲しいが為にDVDやBDを買う人は少ないと思うから。つまり、そんな特典を付けなくったって、購入に踏み切ってもいいと思えるほど、良い作品だと思うし、そして、このOP EDがCD化されていたら、必ず買うという人も大勢いるはずだ。両方を商品化したほうが、絶対に儲かるに決まってる。儲け、という表現は下世話にに聞こえるかもしれないが、作品を純粋な気持ちで欲している多くの人たちに、正当な価格で提供する事が、本当の意味での商売である。握手券や投票券欲しさにCDを買って、作品はゴミとして捨ててしまう様な、不純な動機で欲しいんじゃないんだよ。
Fullの途中まで、ラジオで流れたらしい。ストリングス・アレンジが素晴らしい。
こちらはエンディング。ホーンセクションが秀逸。ベースラインもかっこいい!
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