とりあえず読む、間隙を縫って!

コミックの単行本は、買いたい放題だと恐ろしい勢いで増えてしまうし、読んだら読んだでこれまた場所を取る。古本屋に売り飛ばすのもひとつの手段だが、なんとなく性格に合わない。とにかく、買ったら手放したくない性分なのだ。特に、廃刊になってしまったりすると、もう手放せない。ただ、頻繁に読み返す本はそれほどなく、中には取り出すのも一苦労な、いわゆる"死蔵"というやつだってかなりある。しかし、最近では、何故かお気に入りの漫画家の執筆速度が低下し、おかげで、刊行数もぐっと減ってしまった。だから、購入するコミックは年に数冊程度に収まっている。実はコミックに関しては、漫画好きの友人とシェア(貸し借りねw)しているので、こちらが購入すべきものがあまりない、というのが実情だったりする。そんなわけで、最近自分が購入した分はたったこれだけ。



福本伸行カイジ -ワンポーカー編-』は、『和也編』の続編だが、和也編ではカイジ自身が、直接勝負に参加していなかったのだが、今回は和也とのサシの勝負という展開である。このシリーズも、初回シリーズ『賭博黙示録カイジ』から数えれば、かなりの連載年数になるが、正直言って、最終的な敵であると思われる帝愛グループ会長、兵藤和尊へ辿り着くまでにあと何十年かかるか判らない、それ程物語の進む速度は遅く、また冗長である。というか、福本漫画は全部同じで、だからこそ、読者の心を掴んで話さないのだと思うが。

さて、お次は、植芝理一『謎の彼女X』の11巻。こちらは、前回同様、登場人物は学園生活と恋愛を謳歌し、誰も歳を取る事はない。しかし、この設定に対して、読者は完全に安心しきってしまっている。そして、謎の彼女の謎成分はどんどんと薄くなって、作品自体が毒にも薬にもならなくなってしまっている。もしも、この先、とんでもない展開が訪れるとしたら、それは連載の終了の合図なのかもしれない(多分、当分先だけど)。

最後に、くらもちふさこ花に染む』の4巻。この『花に染む』という漫画は、『駅から5分』から分離独立したストーリーで、従って、『駅から〜』を読んでいた方が、幾分ストーリーは判りやすいんだが(ほんの幾分ね)、今回は第1巻よりも前のストーリーとなるので、ちょいとややこしい。まあ、彼女の作品は、小説で言うところの"行間を読む"のと同じ様に、コマに描かれた人物のちょっとした表情なんかを完璧に読み取らなければ、ストーリーを読み進めることは困難だ。だから、ある意味、何度も何度も読み返せる事のできる、数少ない漫画家であると言えよう。

謎の彼女X(11) (アフタヌーンKC)

謎の彼女X(11) (アフタヌーンKC)