Phenom II x6 で行こう! -新規で高性能マシンを組んでみた- その1

自力でPCを組み上げるという事は、思っているよりもそう難しいことではない。それよりも、それをスタートさせる事の方が遥かに難しい。無論、のっぴきならない状況に追い込まれれば話は別だが、まあ、中々そうはならないし、PCなんぞは、そう都合よく壊れたりはしない。むしろ、そうなっては困る場面で、あっさりと息の根が止まってしまったりするのは、普段の行いが悪いからなのだろう。
さて、久々の新規自作である。今までとの大きな違いは、今回基本的なパーツ類は全てネット通販を利用したということ。当たり前だが、ネット上に登録された店舗の中から一番安い店を選択すれば、実際の店舗で購入した場合との価格差は、かなり大きな額となる。結果として、その浮いた分でひとつ上のグレードを目指すことも可能となるわけだ。ただし、通販の致命的なところは、返品、交換といった部分が実際のショップと比べてすごぶる面倒であるという点だろう。相性、初期不良といった問題に直面すれば、その時点で作業は数日間停止してしまう。仕方なく、近所のパーツショップで代替品を買う羽目になったりすれば、通販で安く上げた意味すら無くなってしまう。それでも、合計で数万円も安くなるのだから、その魅力には抗えまい。

というわけで、早速、そのラインナップから紹介して行こう! まずはケースから。今回、どうしても譲れなかったのが“フルタワー”という選択。CPUの性能が上がり、それに比例してCPUクーラーも大型化、電源も大容量化していく中で、さすがにミドルタワーでは作業が煩わしいし、日々のメンテナンスにも支障をきたす。また、冷却、特にエアフローであれこれ頭を悩ませるのはもううんざり。というわけで、散々迷った挙句、今回チョイスしたのはCoolerMasterのHAF X RC-942-KKN1。同社における現時点での最新モデルで、冷却に特化した構造となっている。また、サイド部分が透明で中の様子が伺えるのも、自作erにとってはかなり嬉しい。ところで、このフルタワー、どれくらい大きいのかというと、幅230x奥行550x高さ590mmで、重量に至っては14.35 kg、全てのパーツを組み込めば20kgを超えてしまうのだ! 実はこのケース、デザイン的にはかなり譲歩したのだが、何を最優先させたのかというと、それはUSB3.0である。今回の新PCで肝となる部分は2つあるが、その内のひとつがこの“USB3.0”で、フロントI/Oでこれに対応するフルタワーのケースが、現時点ではこれくらいしか見当たらなかったのだ。もちろん、完全に気に入らないというデザインではない。どこかミリタリー調で、軍事車両に積まれているジェリカンを想起させるし、フロントファンのLEDが真っ赤で、それをパネルスイッチからON/OFFできるのもいい(子供かw)。

CoolerMaster HAF X RC-942-KKN1

(左)大型ケースを箱から取り出す時は、天地をひっくり返して外箱を抜き取るのが基本だ。(右)実際に取り出してみるとかなりでかい!そして重い! サイドには大型ファンと、その周りには中を覗ける窓がある。フロント上部のI/Oパネルにある青い端子がUSB3.0だ。


お次は電源。今回の条件は、650W以上で、かつ、ケーブルが脱着式であること。実は、現在メイン機で使用しているAntec EARTHWATTの650Wが、安価ながらもド安定しているため、これも選択肢のひとつとして考えたが、やはり脱着式は譲れなかった。また、このクラスでは価格面での競合製品が多く、そちらで大いに迷った。結果、SilverStoneのSTRIDER PLUS(ST75F-P)を選択。ワット数は750Wで、80PLUS SILVER認定である。

SilverStone STRIDER PLUS(ST75F-P)

6コアCPUと高性能VGA、更にHDD等の増設を考慮して750Wの大容量電源を選択。(右)ケーブル類は、必要な分だけを使用出来る脱着式。


次回は、いよいよコアパーツの紹介だ。