音楽評論家、今野雄二氏逝く

音楽・映画評論、翻訳等、多方面に亘って活躍していた今野雄二氏が8月2日死亡している事がわかった。死因は自殺との事。
今野氏といえば、年代的には親に隠れてこっそりと見ていた『11PM』の“水曜イレブン”のメンバーとして馴染み深く、多感な時期の脳味噌に、最新の音楽やら映画やらを叩き込まれたものだ。奇しくも最近自殺した加藤和彦氏が率いたサディスティック・ミカ・バンドとの繋がりが深く、彼らの存在を積極的に世間にアピールした。また、グラム・ロック伝道の第一人者でもあり、ロキシー・ミュージック等のアルバムのライナーを数多く手がけた。個人的に、ロキシー・ミュージックの『カントリー・ライフ』がもの凄く好きで、そのライナーを氏が手掛けていたので、一層思い出深いものがある。が、やはり一番印象に残っている、というか、盤面に刻まれている事象は、P-MODELの1stアルバム『IN A MODEL ROOM』収録の“MOMO色トリック”における歌詞「ユージさんにはわかるまい」と「アホのリノでも見に来るぜ」の一文。この確執は今となってはよく覚えてはいないが、前出の水曜イレブンで氏が酷評したのがきっかけだったような記憶がある(当時実際のライブでは「今野雄二にゃわかるまい」と絶叫していました。因みに“リノ”とは水曜イレブンでカバー・ガールを務めていた現女優のかたせ梨乃)。
加藤和彦氏もそうであったが、この世代の自殺が多いのが気になる。男性更年期障害によりホルモンバランスを崩し、情緒不安定になる人も多いと聞く。ツイッターでの高橋幸宏氏のコメントなどを読むと、なんとも心苦しい限りである。ご冥福を祈る。