夏の終わりのあれやこれや

あっという間に夏が過ぎ去り、気が付けば秋の虫の声がちらほら聴こえたり…は、まだしてないw けれど、それもあと数日の内にといったところだろう。今年の夏は原発事故を受けて節電一色となったわけだが、多くの国民がこれに対して真摯な対応をしたのではないかと思っている。一時、割と涼しい日が続いたりもしたが、全体的にはやはり厳しい猛暑の夏であった様だ。
さて、この夏、読みそびれてしまった書籍が山の様に積み上がってしまい、週刊誌などは既に1ヶ月遅れのものに目を通す始末。とりあえず、ネットなどの時間を最小限に抑え、何とか消化しようともがく今日この頃。今月号(2011年09月)の『レコード・コレクターズ』は、世のブルースマン達が敬愛して止まないロバート・ジョンスンの特集だ。生涯で残した録音が全29曲42テイクというのは、ブルースに特化していない私でも知っている程あまりにも有名だ。"特化していない"というのは、結局自分のブルースの入り口は、ツェッペリンやクラプトン(クリーム)といったところで、彼らのカバーするロバート・ジョンスンが自分のオリジナルと言っても過言ではないからだ。実際のところ、ブルースは公民権運動以降、その多くをブリティッシュ・ロックのミュージシャンに預けた感があるのは否めない。ストーンズに代表される様に、その音楽の礎をブルースに置く連中が、一時的にしろそれを牽引してきたのは事実なのだ。ところで、この『レココレ』の編集長、寺田正典氏が、今号を持って勇退するとの事。何でも家庭の事情で、どうやら編集業からは足を洗ってしまう様だ。寺田氏と言えば、レコードやCDの特集でも何でもなく、ストーンズのライブ特集を組んでしまうなど、かなり破天荒な事もやってのけたが、勿論、そういった特集はこの雑誌に於いては反則技で、まあ、賛否両論、記憶に残る編集長ではあった。これと話は時期を同じくするのだが、やはり中村とうよう氏の自殺の事は本書でももちろんの事、、親雑誌である『ミュージック・マガジン』でも特集が組まれた。そして、遺稿となった「とうようズ・トーク」を読んだ時は少なからぬ衝撃を受けた。それは、その内容が遺書そのものであったからだ。そして、同時に掲載された湯川れい子の追悼文には、氏が親友等に宛てた遺書の内容も掲載されていた。詳しい内容は端折るが、曰く、今後生きているうちに片付けなければいけない事があまりに多すぎて、時間的に間に合わないので、その前に人生にけりをつける、といった感じの事が書かれていた。果たしてそれが本心であったのかは本人のみぞ知ると言ったところだが、何かどうしようもない虚しさが心を去来するのはなぜだろう?



さて、その他のちょっと紹介したい書籍をいくつか。まずはコミックから。例の『僕はビートルズ』の第6巻。以下、ネタバレ注意!! 彼らのデビューにより、フェードアウトしてしまった?本家ビートルズ。FAB4のメンバーはショックを受けるが、彼等がいなくなってしまった今、自分達にはその音楽を世界に伝える義務があるという考えから、ついに4人は再結集し、本格的な活動を開始するが、彼等のプロダクション社長が、ふとした事から、彼等が実は未来から来たのではないかとの疑念を抱く様になる…。ところで、以前紹介した時、巻末の解説記事が無くなった事に苦言を呈したが、現在はちゃんと復活している(5巻には3〜5巻分の記事がまとめて掲載)。
僕はビートルズ(6) (モーニング KC)

僕はビートルズ(6) (モーニング KC)


お次は山田章博の『BEAST of EAST』の第4巻。えーと、調べてみると第3巻の発売が2007年03月wなので、実に4年半ぶりの刊行となる。正直、最新刊が発売される度に一から読み直すので、毎回毎回新作を読む様な感じだw しかし、何よりも、その作画スタイルやキャラクターが以前と寸分違わぬ事に驚きを禁じえない。普通、漫画家というのは、連載を重ねるうちにキャラの表情やら何やら、少なからず変化していくのだが、この作品に於いては全くといって良いほどそれがない。…と、ここまで書いたんですけど、実はまだちゃんと読んでないんですw というわけで、内容については機会があればまたその時にでも。
BEAST of EAST (4) (バーズコミックス デラックス)

BEAST of EAST (4) (バーズコミックス デラックス)



さて、最後に紹介するのはGakkenより発行された『[図説]ドイツ戦車 パーフェクトバイブル』だ。かつて寺山修司は、戦争がなくならないのは少年が生まれつき戦車が好きだからだ、と言い放ったが、それが正しいかどうかは別として、多くの少年がそうであった様に、自分もまた、ミリタリー関連のプラモデルをそれこそ沢山作ったクチだ。中でも、タミヤの1/35ミリタリー・ミニチュアシリーズは出色の出来で、プラモデルの歴史を語る上でこれを外すことは出来ない。また、その組み立て説明書には、子供では到底理解できない様な、非常に難易度の高い解説が載っていたのも印象的だ。宮崎駿なんかは、この説明書だけで、軽く丼飯三杯は行けたと容易に想像出来るw さて、本書だが、これでもか!と言わんばかりにマニアックな内容で、"パーフェクト"の文字に嘘偽りは無い。本書を手にした瞬間、自分が今まで、ドイツ軍の戦車について如何に無知であったのかを痛感し、無意識の内にレジへと向かっていた次第。勿論ではあるが、過去の争いとは全く関係の無いベクトルで徹底的に楽しみたい。


さて、夏の夜も終わり、季節はいよいよ音楽と読書とモルトの秋へと移って行く。それまでに、夏に買ったあれやこれやを今の内に片付けておこう。