DENON DP-300Fの音質を改善してみる(その1)

ここのところ色々と忙しく、前回の記事からあっという間に半年が過ぎてしまった。さて、その前回書いたレコードプレイヤーの事だが、半年も過ぎれば音は大分馴染んで来たし、出来ることはほぼやったというところ。まあ、エージングについては賛否あるだろうが、正直、レコードプレイヤーにエージングってのはあんまり関係ないとは思う。気休めというかプラシーボ(笑) ただ、例えば、針が音溝をなぞって振動するなんて、どうしようもなく物理的な部分があって、それが馴染んでくるってのはあるかもしれない。かも、だけど。

今回はそのプラシーボ以外に行った基本的な対策を紹介していこうと思う。初めてこのプレイヤーでレコードを聴いた時思ったのは、音が軽いということ。そこで、根本的な部分から見直しを始めた。まずは、設置場所だが、部屋の都合上他の他のオーディオコンポと一緒に設置できないので、残念ながらスピーカーの影響を受けやすい場所にある。具体的には右SPの前方右側に置いてあるレコードラックの上に設置しているのだが、これはオーディオメーカー製なのでかなり強固。従って、これ自体は振動の影響時を受けている感じはない。水平器(二方向)を使ってみてもかなり正確に水平を保っている。

建築用の水平器だが小型軽量で前後左右二方向が計測できる。

実はこのプレイヤー、値段の割には大型の(見た目)いいインシュレーターを使っているのだが、いかんせん、プレイヤーのベース部分が軽すぎるので、振動対策には限界がある。何しろ全重量でも5.5㎏とスッカスカだ。他の機器なら鉛インゴットで加重してやる方法もあるがレコードプレーヤーとなるとなかなか難しい。そこで、レコード盤の上に置くディスクスタビライザーを使ってみることにした。検索掛けると様々な種類のものが見つかるが、筐体のカラーとの兼ね合いもあって、黒系のものを探していたら、グロッシーブラックという、ちょっとカッコイイ黒っぽいメタル製のものを見つけた。このスタビライザー、上面には水平器と、速度検知用のパターンが印刷(刻印?)されているというなかなかの優れものだ。実はこの製品、取扱店によってやたらと値段の差が激しく、1,500~3,500円くらいの開きがある。結局、色とパターン(50、60Hz)の組み合わせで最安値ものが1,900円程度だった。

水平器と速度検知用のパターンが印刷されているが、別途ストロボフラッシュが必要となるし、そもそも速度調整機構がないのであまり意味はない(調整は本体内部からドライバーを使って行う必要がある)。まあ、見た目はカッコイイかな。

高さは34mmとかなり高いので、機種によってはダストカバーと干渉する恐れがあるので購入の際には注意が必要だ。

さて、このスタビ、重量は300gとかなり重いのでレコード盤をターンテーブルにしっかりと密着させることが可能だ。実際に使ってみると、期待していた以上の効果があった!懸案だった音が軽いという部分はかなり改善されて、しっかりとした低音が出るようになったのは驚きだ。なるほど、もしかするとトレースされる側の制振が音質的には一番改善されるのかもしれない。
この項続く。