バイブルの消失

ビートルズ関連の書籍で、個人的にバイブルとして崇めているのが、マーク・ルウィソーン(Mark Lewisohn)の名著「The Complete BEATLES Recording Sessions」だ。本書を読めば、ビートルズのレコーディングについての全貌がほぼ正確に把握できるという、まさにビートルズマニアにとってのバイブル、必携の書と言っても過言ではない。というか、これを読まずしてビートルズマニアを名乗らないでほしい、と思うくらいの優れた作品である。ところで、この作品は現在絶版である(出版元:シンコー・ミュージック)。初版発売が1990年7月20日だから、かれこれ18年が経過している事になる。研究が進むにつれ、間違いを指摘される部分も少なからず出てきているので、もしかすると改訂版の発売が近いのかもしれない、などと、勝手な想像をしたりもする。現在、中古市場に於いて1万5千〜2万円程度の高値で取引されているようだが、資料的価値の高いこういった作品が、永らく入手困難というのは、極めて残念な状況であるので、早く何とかしてもらいたい。なにしろ、これは"バイブル"なのだから。




※その日のレコーディングで何が行われたのかが克明に記されている。また、ゲストミュージシャン等関係者の証言も盛りだくさんで、ビートルズの真の姿が浮き彫りにされている。