ギーゼキングのドビュッシー

ギーゼキング(Walter Gieseking)のドビュッシー作品集が1,000円程度で売っていたので買ってみた。彼は1956年に亡くなっているので、自分が生まれる前に活躍していたピアニストだ。
CDは5枚組で、それぞれの紙ジャケの裏に虫眼鏡じゃないと見えないくらいの字でレコーディングデータが載っている。何々…Studio No.3 Abbey Road…なぬっ!更に驚くことに、レーベルがEMIではなく、PARLOPHONEとな! 元来パーロフォンは、クラシック音楽の本道からちょっと外れた音楽を専門にしたレーベルだったが、ドビュッシーなんかは当時のクラシック界では、まだまだ現代音楽として扱われることも多かったので、このレーベルで録音されたのかもしれない。とここで思ったのが、ジョージ・マーティンのこと。この作品集は53~55年に亘って録音されているのだが、ビートルズの初レコーディングが62年だから、年齢的にこの録音に係わっていてもおかしくはない。Wikiで調べてみると、マーティンは50年にEMIに入社しているが、パーロフォンのマネージャーになったのは55年とある。う~ん、かすってはいるがどうなんだろう?これはもう、彼の自伝かなんか、詳しく載っている文献を漁るしかないか。ていうか、だから何?という気がしないでもない(笑)まあ、面白い偶然があったよ、という話でした。

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ドビュッシー作品を一番理解している演奏といわれるが、個人的にはテンポや解釈に違和感を感じたりする作品もいくつかあった。録音はMONO、保管状態は良いと思うが、やはり時代を感じてしまうのは仕方ない。このCDは2011年にリマスターされた音源を使用しているが、実はSACD盤も存在しているという歴史的な作品だ。2013年にパーロフォンはワーナーに売却されたので、このCDもワーナーから発売されている。