パノラマ

余程疲れていたのであろう。夕食を済ませると急激な睡魔に襲われ、すぐに眠りについてしまった。夢…である。
夢は自分で創るくせに、自分ではコントロールできないところがちょっと面白い。また、夢の世界では、現実世界との区別が不可能な場合が稀にある。しかし、大抵の場合、「こんな都合のいい世界が有る訳ない!」などと猜疑心が芽生え、その瞬間に目が覚めてしまうというパターンが多い(この半覚醒状態を上手くコントロールすると、随分と楽しい事が出来るそうだが、その辺りの話はまたの機会に譲ろう)。しかし、今回は珍しくその区別が付かなかった。夢の中で、何度も何度も、「これは夢じゃない!」「こんな事が本当にあるんだ!」などと感激しまくっていたのだ。まあ、その内容というのは、どこかの辺境の地でクルマが故障して、そこに助けに来てくれたのが、某女子アナでww 向こうはずっと自分を好きでいてくれて、この窮地を救うためにわざわざ助けに来てくれたというものだった(バカww)。よくありがちだなあと思ったのは、普段はその女子アナに殆ど興味が無かったというところだ。たまにはこういう夢も面白いが、これがもうちょっと現実っぽいシチュエーションだと、目覚めた時のショックが大きい。
ところで、この逆、つまり現実の世界に於いて、夢のような感覚に襲われる事も、ごく稀にある。もちろん、殆どの場合が、例えばコンサート会場の様に意図的に演出されたものによる効果である。その中でもちょっとクラっと来る場所が「日本武道館」だ。アリーナ席から断崖絶壁の様に切り立って見える1階席。不規則に組まれたように見える螺旋状の天井照明。頭の周りを“うわーん”と唸るように駆け巡る会場のざわめき、等が、現実世界から隔絶された状況を作り上げる。これはもう「パノラマ」以外の何物でもない。そこに突如として現れるカリスマや、ありえないくらい可愛らしいアイドルたちが、非現実的な夢の空間を完全なものへと作り上げて行くのだ。果たしてこれは夢なのか?現実なのか?

パノラマ島綺譚 (BEAM COMIX)

パノラマ島綺譚 (BEAM COMIX)

※当ブログ内でアフェリエイトは実施しておりません。