エンドレスエイト

アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」最新作である。(ここから先はネタバレ注意という事でお願いします。)

基本的に未放送分の原作は読んでいない、というか、読むのを我慢しているわけだが、それは単に、何の予備知識も無しに純粋に作品を楽しみたいというだけの話。そして、最新放送分の「エンドレスエイト」。正式な放送、8回目にして、ようやくストーリーが完結した、らしい。「エンドレスエイト」9回目の放送は、恐らくもう無いだろう。だが、5回目の喫茶店(後半)のシーンで、キョンが8の字をボールペンで何度もなぞっているシーンがある。普通に考えれば、この物語が8回で終わるという暗示だろう。しかし、本当は、この物語が永久に続く事を示唆していたんじゃないのか? 「∞」、即ちアンリミテッド! ならば、この終わりは実は“終わり”ではなく、終わりと見せかけた“続き”であると考えても、それを否定する事は誰にも出来まい!

さて、今回のこの一連の演出、ネット上での評価はまちまちだ。3回くらいで終わらせれば良かった、という意見もあれば、8回だからこそ意味がある、という意見もあった。個人的にはそのどちらでもなく、やるならあと1〜2ヶ月くらいやっても良かったという気がする。ハルヒファン以外の人間を騒動に巻き込めば、こちらの勝ちだ。とにかく、世間が「ざわ...ざわ...」してくれればいいわけだ。それともうひとつ。今回、声優陣が、後半になって壊れ気味になっていく様が痛快だったが、あと1〜2ヶ月これを続けたら、もっと面白い事が起きていたはずだ。それを考えると、どうにももったいない気がするのだ。
ところで、肝心のオチについてだが、これはシリーズの演出自体よりも賛否両論があったが、やはり「(゚Д゚)ハァ?」とか「( ゚д゚)ポカーン」というものが一番多かった。だが、最終的に、ハルヒが顔を赤らめながら「私も行くからね!」に持って行けるのであれば、何でも良かったという気がするのだ。やはり8回繰り返したという目的は、オチのためではなく、ただただ騒動のためだったと考えるのが妥当だろう。

このストーリーは誰もが思い浮かべる通り「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」(監督:押井守)のトリビュート作品とみて間違いない。ただ、この映画の場合、エンディングロールで学園祭前日へと戻ってしまい、物語がループしてしまうという仕掛けがあった。もし、「エンドレスエイト」8回目のエンディングで、キョン高校野球を見ているシーンがあれば最高だったが、残念ながらそれは無かった。そして、今、ただ祈るのだ、来週が「エンドレスエイト」9回目であることを。彼らの夏休みは終わらない。