大瀧詠一 Song Book 1 大瀧詠一作品集 Vol.1(1980-1998)

今年もこの時期恒例のナイアガラ関連作品がリリースされた。1枚は、大瀧詠一作品のソニー音源主体によるカバー集『COVER BOOK 1 大瀧詠一カバー集 Vol.1(1978-2008)』(SRCL 5012)で、リマスター及び監修は大瀧自身の手によるもの。そしてもう1枚が今回のお題、大瀧がアーティスト達(自身も含む)に対して提供した作品集『Song Book 1 大瀧詠一作品集 Vol.1(1980-1998)』(SRCL 5011)だ。ご存知の通り1991年発売の『〜(1980-1985)』(CSCL 1667)のリイシュー盤で、プロデュース、リマスター及び解説は大瀧本人によるものだ。
さて、解説の前にひと言おことわりを。実は現在諸事情により、オーディオセットによるスピーカー再生が出来ない状態となっております。また、旧盤は所有しているが聴くことが出来ず、従って、旧盤との音質の比較やミックスその他の違いを細かく検証する事が不可能となっています。よって、以下の解説文は追加曲を中心に、ほとんど記憶を頼りに執筆いたしますが、もしも間違い等ございました場合はご指摘くだされば幸いです。
では本題。今回のリイシューは、タイトルの最後にある年代表記を見ても判るとおり、旧盤の「-1985」から「-1998」へと年数が延び、曲数が17曲から21曲に追加されています。が、厳密には旧盤最後に収録の「A面で恋をして」のインスト曲が削除されているため、1曲の削除、5曲の追加ということになります。新規に追加された楽曲は以下の通り…

14.ポップ・スター / 市川実和子
15.うれしい予感 / 渡辺満里奈
16.いちご畑でつかまえて / 松田聖子
19.夢で逢えたら / ラッツ&スター
21.幸せな結末 / 大滝詠一


このうち、アニメ『ちびまる子ちゃん』のOPテーマとなった15.は、リミックスかミックス違いで、男性コーラス(大瀧自身?)がすべてオミットされ、音響や定位にも違いがある様な気がする。16.はアルバム『風立ちぬ』の収録曲で、『ロング・バケイション』収録の「FUN×4」と対になっている姉妹曲だが、イントロ及びアウトロ(一度FOしてからFI、そしてFOする部分)が完全にカットされている。解説によれば、これが本来の姿だったそうだ。と考えれば、このアウトロ部分がタイトルから想起(いちご畑=ストロベリー・フィールズ・フォーエバー)された、かなり即興で思いついた遊びのミックスだったのかもしれない。また、途中のくしゃみがオリジナルよりもかなり大きく聞こえるので、リミックスか別ミックスかもしれない。とにかく、ここでしか聴けないバージョンなので貴重だ。ついでだが、17.「風立ちぬ」では、旧盤で曲の冒頭に収録されていたCMバージョンがオミットされている。21.は今回初のアルバム収録となる大瀧自身の曲。今回のリイシューは、この曲をアルバムに入れるためのものだったような気がしないでもない。
さて、来年はいよいよ『ロンバケ』30周年記念となる年で、早くも一年後の発売がアナウンスされています。とんでもないブツが発売される気もするので、ナイアガラマニアは今からお布施の用意をしておきましょう。まあ、そういって結局出なかったり、延期されたりするのがナイアガラの常ですがw


旧盤時代評判の悪かったジャケットは、中山泰デザインのものに変更された。