Winampが開発終了

Winampと言えば世界を代表する音楽プレイヤーソフトだが、その歴史は16年前に遡る。実は私のPC暦とほぼ一致するのだが、WindowsのOSが98になった頃、このWinampが頭角を現し始めた。当時は音楽の圧縮ファイルが流行の兆しを見せていたが、もちろん、iPodなども無い時代で、例えば、SONYが普及を狙った圧縮プレイヤー(ハード)は、MDで採用したATRACという独自の圧縮形式だったので、MP3の流行とは逆行する形で、思えばこれがSONYブランドの躓きの第一歩であった。要するに、MP3という圧縮ファイルを外に持ち出す方法がまだ現実的ではなかったのだ。つまり、変換したMP3はPCの中だけで完結しており、PCで再生する以外に使い道は無かったのだ。そこで、PC内で再生するためのプレイヤー(ソフト)が大流行し、その先頭を行くのがこのWinampであった。大流行した理由はいくつもあるが、プレイヤーの見た目を自分の好みのものに変更出来る、いわゆる"スキン"を採用した事も大きな一因であった。
しかし、ヴァージョンがWinamp3に変わった時に、以前のスキンとの互換性をオミットしてしまい、このヴァージョンアップは大失敗に終わった。また、当時はWindowsがMeに変更されたばかりだったが、このOSが糞だったw Meはご存知の通り98の進化系だが、基本が3.1だったので、カーネルの一部に16ビットコードを採用していた。そのため、深刻なリソース不足に悩まされ続け、ちょっとした事でもフリーズを引き起こしていた。そこに来てこのWinamp3は確かにスキンは斬新であったが、動作自体は常に重たく感じたのだ。そのせいで、3.x系がいくらヴァージョンを重ねても、2.x系を使い続ける人が多く、次第にWinamp自体の人気も廃れていった。OSがXPや7へと進化を遂げた時は、専用のプレイヤーという概念はPCの世界から消え去り、WMP等の統合プレイヤーで満足する人も多く、Winampの必要性は益々薄れていった。しかし、CD音源をPCで吸出し、圧縮し、外に持ち出す、という今では当たり前の作業(いや、DL販売が主流の今、この作業自体が時代遅れだが)を作り出したのは、最終的にこのWinampがあったからといっても過言ではない。自分のPCやHDDの中には、恐らく、数万という音楽ファイルが存在していると思われるが、そのファイルの多くがPCの中のこのWinampで再生された事は間違いない。長い間使い続けているアプリは数多くあるが、ネット以前、PC作業の傍らにはいつもこのWinampがあったのだ。ありがとう、Nullsoift、そして、さらば、Winamp


未だ現役のWinamp。スキンは2.x系。