MD健在

今や携帯プレイヤーの主役を完全にシリコンオーディオに奪われたMDであるが、こちらではスタジオでのバンド演奏を録音する際のバックアップ用として、未だ現役で稼動中である。ちなみに、メインは「H4(ZOOM)」という、記録媒体にHCSDカードを使用する録音専用機にその座を明け渡している。このH4はCDの44.1kHz,16bitを凌駕する96kHz,24bitでの録音が可能なため、いつもはこの設定で使用しているのだが、唯一の問題点として、HCSDのファイルシステムFAT32仕様のため、1ファイルの上限が2GBしかなく、時間換算で1時間程度しか録音できないという制約を受ける事。演奏途中でファイルが途切れる可能性があるのと、万が一の失敗(主に操作ミス)に備えて、このMDが活躍しているというわけだ。ただし、MDはATRACという圧縮方式を使用しているので、これを直接PCで扱えないため、一度、アナログで出力してPCで録音しなおさなければならない。アナログなので実時間でしか作業できないのが難点だ。しかしこのMD機、購入から12年程が経過して未だ故障知らずだ。実は、精密機械の故障の原因のひとつに「使わないこと」が挙げられる。消耗、劣化部品があまり使われていない機械(機械時計など)は、使い続けることで飛躍的に寿命が延びるのだ。


PCへ録音中のMD。上はEDIROL製のオーディオ入力デバイス。こちらも結構長持ちしている。