ト、ト、トリスの“トリス〈エクストラ〉” サントリー

トリスは数あるサントリーブランドの中でも最下位に位置するウイスキーで、個人的には滅多に口にすることはなくなってしまった。やはり、実売1,000円を切る価格のものはウイスキーとしてのランクがかなり落ちるからで、ましてやこのトリスのように実売600円を切るとなるともう別次元である。しかしそれでも年に1〜2回、無性に飲みたくなってくるのだから不思議なものだw さて、新聞等では発売前から話題になっていたこの“トリス〈エクストラ〉”。なぜ話題になっていたのかというと、この最下位ブランドの価格が、ひとつ上の“レッド”を追い抜いてしまったからだ! 今までの“トリス<ブラック>”の希望小売価格793円が、“トリス〈エクストラ〉”では、いきなり1,080円になってしまったのだ! こう書くと、何やらぼったくられた印象を受けるが、実際には従来の容量640mlが700mlへ増量され、アルコール度数も37°から40°へと高くなったので、単に名前がリニューアルしただけでの値上がりではない。要するに中身もランクアップしたということらしい。では早速、そのランクアップしたブツを頂てみようじゃないか!
とりあえず一杯ついで、グラスに鼻を突っ込んでみる。甘い…これはトリス<ブラック>とほぼ同じような香り。一口含むと、スモーキーかつカラメル風の味わいで、これも<ブラック>を踏襲している、と思いきや、いやー、かなり柑橘系の酸味が強い!<ブラック>も柑橘系の味わいはあるが、それを遥かに上回る酸味。これは恐らく、このウイスキーのウリである、ハイボールにぴったりのブレンド、ということなんだろう。後はスーッと引くが、柑橘系の酸味は残る。当然ながら、樽由来の苦味、渋み等はあまり期待できない。
さて、次はいよいよハイボールで飲んでみる。オマケに付いていたグラスを使って、かなり正確に作ってみる。…なるほど、これは確かに美味しいかもしれない。ハイボールに柑橘類を添えるとかなりすっきりした味わいになるため、レモン風の味付けをした炭酸水も売っているが、これは、普通の炭酸水でも柑橘系の味わいになるようだ。ストレートではキツ目の酸味も、ハイボールにするとかなり良い方向へ作用するようだ。やはりこの<エクストラ>は、ハイボールに特化したウイスキーであるといえよう。これを機会として、普通にウイスキーに興味を持ってもらえるのなら、これも有りかと思う。もちろん、これはサントリーの戦略ではあるが…。ただ、やはりこの価格帯のウイスキーはまた半年後、といった感じではある。


オマケのグラス付きで近所のスーパーで940円。殆どの店で1,000円以下の価格設定だ。