続・真夏の夜のウイスキー

"猛暑"と書いた途端、涼しい日が続いたり、また暑さがぶり返したりと、不安定な陽気が続いていますが、それでもやっぱり暑い夏の夜は、ウイスキーで暑気払い。というわけで、前回の続きです。
先日、某量販店へ足を運んだところ、見慣れないスコッチが何本か陳列されており、珍しモノ、新しモノ好きとしては食指が動きまくり、思わず全部買ってみたい衝動に駆られましたが、その気持ちを何とか抑えて1本だけ選んでみました。まあ、全部買っても良かったのですが、飲み比べをしたくなって、全部封を切ってしまう恐れがあるのでここは自重しました。さて、悩んだ末に選んだのは"INVER HOUSE"という1本。ブランドロゴの下にある"Green Plaid"は、ラベルにあしらわれた緑のタータンチェックを意味するらしい。ボトルも緑だし、いやあ、雰囲気があっていいじゃないですか! 例によって、まずはストレイトで。グラスに鼻を突っ込むと何とも甘い香りがする。ひと口嘗めると、強烈なバター風味。これに、蜂蜜やメイプルシロップの様な甘みと柑橘系の香りが加わり、最後、麦の甘みが華やかに開く。期待以上の味わいにちょっと驚く。さて、次は徐々に加水してトワイスアップまで。甘みが全開となり、バターのクリーミーさもなぜか倍増。とにかく、この舌に纏わり付くほどのねっとり感はちょっと衝撃的だ。この後、ロックも試したが、すこしばかり印象が変わり、こじんまりとした味わいになってしまう。飲むなら断然トワイスアップだ。…と、ここまで飲んで、大切な事を思い出す。ああ、そういえばこれ、ハイボールの実験材料に買ったんだっけw ちょいともったいない気はするが、一応、ハイボールで頂いてみる。ん〜、これは凄い。やはりあのクリーミーさが増し、甘さも消えることがないし、麦の味もしっかりと残る。逆に、スコッチとしては甘すぎるかもしれないとさえ思うが、とにかくおいしい。掘り出し物の1本で、これは超お勧めだ。

非常に雰囲気のあるデザインで、中身もおいしい、お勧めの1本。「やまや」で980円。

さて、最後にバーボンを1本取り上げてみたい。最近スーパーなどで矢鱈と見かけるようになった1本、"TEN GALLON HAT"だ。実はこれは昔飲んだ記憶があるが、確かラベルのやビンのデザインが違っていた。調べてみると、10年ほど前までは販売されていたが撤退、最近になってブレンドを変更して再登場したらしい。原酒はJim Beam蒸留所だ。さて、実際に頂いてみると、思ったほどの甘さはなく、結構ソリッドな印象だ。ハイボールにしても、バーボンの風味が損なわれることなくおいしく頂けるが、これといった印象が残らない。可もなく不可もなくと言ったところ。どうせハイボールにするなら、もう少し特徴的な1本を探した方がいいだろう。

カートゥーン風に描かれたマスコットキャラが可愛らしい。価格は900円前後だ。