左利きの話

このブログでは"左利き"という言葉が度々登場するが、ほぼ"呑んだくれ"という意味である。今更説明するまでも無いが、大工が使うノミを持つ手が左である事から、呑みの手が左=左利きと呼ばれるようになったと言われている。
さて、今回の内容は、その呑んだくれの話ではなく、本当の意味での左利きの話である。自分が左利きを強く意識するようになったのは、本格的にドラムを始めた高1の頃と記憶している。ドラムは左右の手が同じ様に動かせるのが理想で、極端に言えば、左でハイハット(HH)を刻めるくらいになれればいい。実際、左手でHHを刻むドラマーは少なからずいるのだ。ドラムには、叩きたくても物理的に叩けないパターンが結構多くて、例えば、右手でHHを刻みながらタムを叩く場合、左右の手がクロスしてしまう(これを非常に上手く捌く達人もいるけど)。この場合、左でHHが刻めれば何の問題もないわけだ。
ところで、世の中には右利き、左利き以外に、もうふたつばかりの種類がある。ひとつは、両利き。これは、右でも左でもどちらでも器用に使いこなせる事を意味する。例えば、右手でも左手でも、箸を使ったり、ペンを使ったり出来る。もうひとつは、利き手が目的よって異なる場合だ。例えば、箸は右だが、ペンは左、といった具合に使い分け、その逆は出来ない。自分は完全なる右利きだと思っていたのだが、多くの右利きの人達の話を聞くと、どうやら、この使い分ける人に分類される様だ。例えば、タオルを絞る時は右手で固定して左手で捻る。ビンのスクリューキャップは左手で回す。コルク栓なども左手の親指で持ち上げて開ける。缶ビールのプルトップも右で缶を持ち左で引っ張る。グラスは左で持つ。胡椒を挽く時は右手でミルを固定して左手で回す。携帯は左手で操作して、メールも左手で打つ(急ぐ時は両手で打つ)等々。他にも探せばまだ有りそうだ。もちろん、多くの右利きの人が完全に右だけを使うとは限らないと思うけれど、これだけ多くの事を左手でこなすというのは、やはり純粋な右利きではないのだろう。ちなみに、箸は左手でも使えるが、これは多少訓練したもの。左側に座った人のおかずをこっそり失敬できるのだw


Wingsのドラマー、ジョー・イングリッシュは左手でHHやトップシンバルを刻む。