オーディオマニアの行方

かつては、音楽好きの男子ならば、オーディオってのは自動的に自分の趣味に組み込まれたものだが、ここ最近では、ポータブルオーディオなんていう、随分とちっぽけな世界に集約されちゃって、なんか、男のロマンもへったくれもねぇなあと思うわけです。まあ、そんな状況だから、世界中のオーディオメーカーは随分と苦しい経営を強いられているわけで、ここに来て、パイオニアがオーディオ部門を縮小、売却か?なんてニュースが、少し前から報道されていて、いちオーディオマニアの端くれとして、随分気を揉んでいたのですが、最終的には投資ファンドとオンキョーに株を売却する事で落ち着いた模様。オンキョーは言わずと知れた名ブランドだが、やはり苦しい時期があったのだが、自作PC向けやDTM向けのオーディオ事業を開拓し、また、ピュアオーディオでも積極的なデジタル化を推し進めた結果、経営危機を見事に乗り越えたという経緯がある。素人考えでは、パイオニアからオーディオ部門を無くしたら何も残らないと思いがちだが、実は、カーナビ辺りはかなり順調で、まあ、メーカー純正って部分にくい込んでいければ、まとまった数の売り上げは保証されるのだろう。正直なところ、AV部門では、なかなか儲けが出ないのは事実で、映像機器部門は、内容的には高級な機器であってもそれを高く売れないところがどうにも…。例えば、ブルーレイディスクプレイヤーなんてのは、SACDまで再生出来ちゃう様なユニバーサル再生機器が、たかだか1万数千円で買えてしまうのだ。何か、ここまで来ちゃうと、もうデフレがどうのこうのという話を突き抜けて、商売として成り立つ訳が無いって領域だろう。
このままでは、メーカーもろ共、オーディオマニアも一緒に消えてなくなるかもしれない。いや、冗談でも何でもなくさ。或いは、一般人には手を出せない様な、ごく限られた人達の道楽になり下がってしまうのだろうか? それを打開する策は、意外と近くに転がってる様な気がするんだけどなぁ。

何でも再生出来ちゃう魔法の箱がこんな値段だもんなぁ。