Socket939 新たなる第一歩 (その1)

今までサブ機として使っていたScket939マシンは、最初はAthlon64x2 4200+を搭載しその後4400+に交換、他にも事ある毎にパーツ交換を施してきたのだが、現行のPhenomIIx6 1090T機を新規で組んでからは、XPでしか起動しない動画編集ソフトを使いたい時などしか活躍せず、しかも、昨年秋にXPのサポートが切れて、セキュリティ的に使用続行が不可能となってからは、ほぼ引退状態に追い込まれていた。が、しか〜し、実は939を復活させるために、某地下組織が着々とその邪悪なる復活計画を進めていたのである(ウソ)。いや、あながちウソでもないな。なにしろ、939 M/Bが枯渇状態になった時に奇跡的に発売されたASRockの変態マザー939A785GMH/128Mが、手元で塩漬のままになっており、これを何とかしようと思っていたのは事実なのだから。このM/Bが何故変態なのかというと、当時既にSocket939の時代はとっくに終焉を迎えていたにもかかわらず、AMDの高性能最新チップセットである785GとSB710を搭載していたからだ。そのおかげで、939のくせにWindows7に正式対応していたのだ! ただし、Athlon64はメモリコントローラーをCPUに内蔵しているため、現在メインであるDDR3を使うことは出来ない。つまり、新規で組んだ場合、一番のネックになるのはCPUそのものと、このメモリという事になるだろう。もちろん、3Dゲーや動画エンコードレンダリングといった厳しい作業を目的としないのであれば、現在でも十分活躍出来ると思われる。もっとも、Eco的な観点で考えれば、非常に効率の悪い非省エネマシンになってしまうのだが、まあ、使える物をごっそりと捨ててしまうよりは、いささかマシなんじゃないだろうか。というわけで、早速行ってみよう!!


分解前のサブ機。(今となっては)容量の小さなHDDを6台も積んでいるので、重量だけでもかなりのものになる。
多くのものを詰め込めばそれだけエアフローが悪くなるので、必然、冷却ファンも増設という悪循環の見本の様なマシンだ。


まず、今回組むに当たっての大前提として、使える物は全て流用し、基本的には新たな買い足しはしない。当たり前なんだが、新規で買い足すパーツが多くなると、それなら最新マシンを組んだ方がメリットとしては大きくなってしまうわけで、要するに、どこまでお金を掛けずに組めるのか、というのが、今回のテーマのひとつでもあるわけです。
今回のパーツのラインナップは以下の通り。

CPU:Athlon64x2 4400+(ADA4400DAA6CD)
M/B:ASRock 939A785GMH/128M
メモリ:DDR (PC-3200) 500MBx4=2GB
VGAASUS EAH4650 (Radeon 4650)
SSD:crucial RealSSD C300 64GB

以上となるが、今回のキモとなるのは何と言ってもSSDである。これは、現行機で最初に使用していたもので(現在は120GBのものに換装)、今回はこれをブート・ドライブとして使用する。CPUやメモリがそのままの流用なので、劇的に性能を改善する為にはこのSSDが必要不可欠となる。現状では、XPの起動から完全に使用可能状態になるまでに3分以上の時間が必要となるし、重めのアプリを起動させるとかなりのもたつきが出る。それは、既に体感速度などで語れる範疇ではないのだ。
では、作業を始めよう。最初はとにかくバラすのだが、ドライブ類を外すのは簡単だが、CPUとファンは熱伝導グリスで密着しているため、そのまま外そうとするとCPUとファンがくっついたままもげてしまう(いわゆる"スッポン")。この場合、ピン曲がりや下手をするとCPU本体やソケットまでをも破壊してしまうので、非常に危険だ。このため、作業を始める前に、予めベンチマーク・ソフトを適当な時間回してやるとよい。それでも、冬場はなかなか温度が上がりづらいので、固そうならCPU部分をドライヤーで直接暖めてやる。全てバラし終わったら、いよいよ新規構築の開始だ!


まずはM/Bを取り出しやすくするためにドライブ類から取り外して行く。


M/Bを取り外したところ、一部のコンデンサに妊娠が発覚! 黒いPCI-Expressレーンの右2つ。その内のひとつは、頭頂部(防爆弁)が開きかけて電解液が付着している。


このASUSのM/BとサイズのCPUクーラーの相性が悪く、写真の通りチップセットRadeon Xpress)のヒートシンクとCPUクーラーの取付金具が干渉して、普通であれば取り付けは不可能であるのだが、ヒートシンクを外してから先にクーラーを取りつけ、後からシンクを元に戻すという面倒な方法で取り付けた。もちろん、外す時はシンクを外さなければクーラーも外せない!


今回はドライヤー無しでも楽に外せた。クーラーをぐりぐりと回す様にして外すとよい。垂直に抜こうとすると危険だ!
ソケットの回りには沢山のホコリが付着しているのが判る。



ソケットから外して、シリコングリスを綺麗に拭き取った状態のAthlon64x2 4400+(ADA4400DAA6CD)。希少価値で高値が付く場合もあるが、普通は数百円程度。だが、その秘めたる力を侮ることなかれ。


電源と冷却ファンだけ残してすっからかんになったケース。かつては非常に人気の高かった星野金属のWindyシリーズで、オール・アルミ製だ。

この項、つづく。