レコード・コレクターズ増刊 『ポール・マッカートニー デラックス・エディション1』

リアルタイムでの経験、これに勝るものは無い…特に音楽ではね。ビートルズ解散後にビートルズを知った(厳密には"嵌った")その悔しさは、同世代であれば絶対に共感できると思う。もう、何回も書いたと思うが、ああ、オレはなんであの時、武道館で彼等と時間を共有出来なかったのだろう?とか、まあ、そんな悔しさは、どの世代であっても少なからず持ち合わせているとは思うけどさ。しかし、あの時、ウィングスの来日公演が実現していたら、当時のファンは幸せ者だったと思うわけで、しかしながら、そうはならなかった。だから我々は、悔しさを引き摺ったままの世代でもあるんだな。
さて、その夢中になっていた当時、ラジオからはガンガンにウィングスの曲が流れていた。正直、ウィングス解散後のポールには、魅力を感じていなかった。個人的には『バンド・オン・ザ・ラン』〜『ロンドン・タウン』までのほんの短い期間が最強だと思っている。以前、このブログでも紹介したが、ウイングスの映像作品『ロック・ショウ』こそが、まさに絶頂期であると確信している(記事はこちら)。
さて、レココレで特集されたポールの「デラックス・エディション」に関する記事をまとめたものが、この『ポール・マッカートニー デラックス・エディション1』である。ウィングス関連のアルバムでは『バンド・オン・ザ・ラン』『ヴィーナス・アンド・マース』『スピード・オブ・サウンド』『オーヴァー・アメリカ』の4作品が紹介されている。最近はこの"デラックス・エディション"が大流行で、大抵は通常盤、デラックス盤、更にはスーパー・デラックス盤と3種類が用意されるが、スーパーともなると2万円越えも珍しくは無い。コレクターとしては欲しい気持ちはあるが、どうせ全てをSDEで揃えられないなら、最初から手を出さない方がいい、なんて、ひねくれた考えに陥ったりもするんだよなあ…。ああ、悩ましい。




コレクターズはもちろん入門書としても満足の行く内容だ。