進撃のBABYMETAL

BABYMETALの世界的な人気が確実になったなと感じたのは、2013年の後半辺りだと記憶している。初期の人気を支えたのは、日本と恐らく東南アジアだろう。東南アジア、特にマレーシア、シンガポールインドネシア辺りの若者はアニメやJ-POPに造詣が深く、そういった土壌がベビメタの人気を支えていたが、YouTubeの、特に「ギミチョコ」は飛躍的な再生回数を記録しており、その伸び方を見れば、この人気が、最早日本と東南アジアだけでなくなりつつある事を物語っていた。即ち、それがヨーロッパへと飛び火していたのだ。そして、アメリカでレディ・ガガのサポートを勤める事となった2014年のワールドツアーで、それは決定的なものとなった。アメリカは音楽に関して言えば、ある意味保守的で、この牙城を崩すことは実は大変難しい。ロンドン、パリといった音楽的にはいつでも最先端を行く様な都市では、意外とすんなり受け入れられても、アメリカではそうも行かない。それでも、2014年の後半に行われたツアーでは、ニューヨークとロンドンに狙いが定められた。ただ、新曲の「Road of Resistance」がロンドンのみで演奏されたのはもっともな選択であったと言えるだろう。



さて、メンバーの日本での諸々の行事(卒業や入学)が終わるのを待って開始される2015年のワールドツアー。メキシコ、オーストリア、スイス、イタリア、といった初めての地を多く訪れる事となるが、標高が極めて高いメキシコ(2.300m=富士山の5合目くらい?)でのパフォーマンスが心配だ。しかし、最大の心配と言えば、一度帰国して幕張メッセでのコンサート後(夏休み)に行われる、イギリスでの「Reading,Leeds Fes 2015」への出演だ。ベビメタは確かに世界規模の人気を獲得したが、敵は外側で無く、内側にいる。つまり、HEAVY METAL信者に、だ。もちろん、好意的に受け入れられる事も多いが、つべやreddit(海外版の掲示板)のヘイト発言は相変わらず過激で酷いものばかりだ。だが、中には、長年に亘って罵詈雑言を書き込んでいたヘイターが、突然ベビメタに恋に落ちてしまった、なんて例もあるけどさ。しかし、このReading,Leeds Fesってのは、観客に受け入れられなければペットボトルの洗礼(ステージへ雨あられとペットボトルが投げ込まれる)を受けてしまう。それは、女の子であっても容赦ないのだ。しかし、ベビメタにはもう大勢のメイトが付いている。そこまでの心配は杞憂に過ぎないのかもしれない…と、そう願うしかないのだ。


間もなく発売される、2014年前半と後半、2度に亘って行われた、ロンドンでのライブ映像。その熱狂ぶりは日本のファンをも凌駕する。

BABYMETAL-LTD.EDITION

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