939A785GMH/128M その後

先月お伝えした、Socket939マザーの新作ASRock"939A785GMH/128M"だが、あれからとんでもない事になっている様だ。現在、どの店に於いても売り切れ続出で、現物が確保できないという状況。これは何を意味するのかと言えば、今もって939(主に64 X2)を現役で使っている自作erが非常に多いという事だろう。939は当時、怪物Intelの牙城を崩すくらいの勢いがあり、それだけの数のCPUが世に出回っていたと言う事。そして、そのCPUに対して、現在でもさしたる不満も無く現役で使われているか、若しくは、使いたくてもマザーの破損等で使うことが出来ないでいた、というのが今回の騒動の一番の要因だろう。ただ、普通では在り得ない様な商品が、数週間に亘って、マザーボードの売り上げ1位に君臨していた理由には、実はUSB3.0+6Gbps対応マザーの発売待ちという背景があった。新たな規格が搭載されるマザー発売の間隙を縫って、かつての名機939のマザーが1位を独走したというのは、なんとも皮肉な結果ではあるが、今一度939の底力を見せ付けられた格好となった。もちろん、これは現AMDにとっても決して喜ばしいものではない。939とWindows7のステッカーが同時に並ぶそのパッケージは、ただ速さを競っただけのCPUの進化が、当然のごとく誤りであった事を如実に物語っている。CPUはその後、高性能と省電力の両立を目指し現在に至るが、939自作reの夢は未だ終わらない。