とりあえず、ビートルズの『青盤(Tha Beatles 1967-1970)』の最新リマスター盤を聴いてみた!

去年のリマスター盤発売(090909)から約1年と1ヶ月、ビートルズ待望のベスト盤『The Beatles 1962-1966(通称“赤盤”)』と『The Beatles 1967-1970(通称“青盤”)』がついに発売となった。090909発売当時には、このブログでも後期のアルバムを中心に紹介したが、今回はとりあえず“青盤”についてのレポートである。
言わずと知れたビートルズの“赤盤・青盤”だが、そもそも旧CD盤は長らく発売されなかった。その理由は、当時アップル・レコードでは、数あるビートルズの楽曲バージョンをアルバム単位で世界的に統一しようとする動きがあったからだ。要するに、オリジナル・アルバム(前期はモノ盤、中期以降はステレオ盤のみ)と、それに含まれないシングル曲(『パスト・マスターズVol1、vol2』)のみを公式として発売し、それ以外のアルバム及び楽曲はイレギュラー扱いとするといった方針であった。それを覆して発売された背景には、ジョージ・ハリスンの経済的な理由があると言われていた。現に、その発売の発表会見には、プロデューサーのジョージ・マーティンと共に同席したほどで、その発売にいかに意欲的であったかが窺える。ただ、この“赤盤・青盤”のLP盤の発売にあたっては、その選曲にジョージが深く関わっていたというのも事実ではある。ただ、それがどのような経緯で行われたかについては明らかにはされていない。
それでは、早速、その音について…と行く前に、音以外で気になった点をいくつか挙げてみたい。まずはジャケット。090909で初回限定ジャケットとして発売された例の紙ジャケだが、今回の青盤の紙ジャケ(当然赤盤もだが)は縦横で約5mm程度小さい! 要するに090909盤と並べた場合に背丈と奥行きが揃わないのだ。これはライブラリーとしては致命的でかなりカッコ悪い! なぜこういった仕様になったのか全く理解に苦しむ。逆に、改善された点としては、ジャケットの写真。旧盤では、赤盤がややぼやけた解像度だったのに対して青盤はやたらと鮮明で、かなり補正のかかった印象を受けたのだが、今回はかつてのLP盤のように、双方の質感が同等となるように変更された。また、旧盤ではかなりの違和感があった盤面に印刷されたアップル・レーベルのりんごの写真。これはオリジナルのりんごに戻されて一安心。やはり長年見慣れたりんごはこの形に限るのだ!
では、いよいよその音質に迫ってみたいと思う。今回の購入に当たっての重要なポイントは、まずその音質。つまり、090909と全く同じマスタリングであるのか? そして、旧盤で採用されていたLP盤と違ういくつかのバージョンはどうなったのか? この二点である。では、早速解説に突入! と思ったが、やたらと前置きが長くなってしまったので、この項、続く。(ゴメンナサイw)


090909盤のジャケットと比べると縦横約5mm程度小さい。これは…。


写真では判りづらいが、旧盤はかなり鮮明なのに対して、新盤ではかつてのLP盤に戻した様な質感。


オリジナルとは大きく異なっていた旧盤(上)のアップル・レーベルのりんごの形が、新盤(下)でようやくオリジナルの形に戻された。