Phenom II x6 で行こう! -新規で高性能マシンを組んでみた- その4

今回より組み立て作業編に突入だ! ただ、こんなことを言っては身も蓋も無いが、実は自作における最大の楽しみは既に終わっている。?と思われる方も多いかもしれないが、実は自作の本当の楽しさは、パーツを吟味し、それが徐々に集まり、後はいよいよ組み立てるのを待つばかりとなったこの時点が最高に楽しいのだ。モルトをチビチビと嘗めながら、パーツを箱から取り出し、手に取ってニヤニヤしている時こそが、まさに至高、至福の瞬間! このひと時ををもって自作の楽しみは頂点を迎えるのである(ざわざわ)。もちろん、組み立ても楽しいものだ。そりゃあ、組み上げる事が最終目的なのだから当然と言えば当然だ。しかし、パーツが集まるまでの楽しさが7割とすれば、組み立てのそれは3割程度であろう。
では早速組み立てに入る。まずはマザー・ボード(M/B)にCPUを装着し、クーラーを取り付ける。今回使用するのはScytheの“GRAND KAMA CROSS”(グランド鎌クロス)だ。2ちゃんでは“グランドワロス”などと呼ばれているが(w)、トップフロー型としてはダントツの性能を誇る。今回のM/B、GA-890FXA-UD5 (rev. 2.0)はオール固体コンデンサで、チップやレギュレーターには大型ヒートシンク(ブロック)とヒートパイプが装着されているため、それ程トップフローにこだわる必要はないが、サイドフロータイプでは期待できないメモリ周りの冷却に対しては、かなり有効であるのだ。さて、いつもならここでCPUクーラー付属のシリコングリスを使って用を済ませてしまうのだが、今回ばかりは1090T Black EditionのTDPが125Wということもあって、ちょいと高めのグリスを別途用意することにした。熱伝導率に関しては付属品の6倍以上にもなるのだ。しかし、このグリス、ヘラでまったく伸びないw これは逆にこれ以上硬化しないという事なのかもしれないが、感じとしてはガムをヘラで均している様な気分である。さて、一応均等になったと思い込み、いよいよワロスの装着である、が、これが着かない…。その理由はクーラー本体を装着するために使うリテンション金具と、M/Bのノースチップのヒートシンクとの干渉である。装着のために金具を思い切り押し込むと、シンクに接触して最後まで押し込めない。本来であれば、両方の金具に対して均等に力を入れるべきなのだが、仕方なく、シンク側の金具を先に奥まで引っ掛けてから、手前の金具を無理やり押し込む方法で乗り切ったが、よく見ると金具の口とそれを引っ掛けるブロックがきっちりと奥で噛み合っていない。しかし、何度やってもこれが限界。まあ、かなりきつく噛んでいるので外れることはないと思い込みこれにて装着は完了!ということにした。(最終的には、このM/BにこのCPUクーラーは装着できない、と結論付ける。) 装着の際に、両方の親指の付け根部分をヒートシンクでかなり切ってしまったので、取り付けには布製の手袋などを使うことをお勧めする。
しかし、いつも思うのだが、このCPUクーラーとM/B部品の干渉問題は、なぜ長い間放置され続けているのだろう? こんなものは、各パーツメーカーが足並みを揃えて規定値を設定する事で、すぐにでも解決できそうなものだが…。


(左)高価なグリスは、ご覧の様に注射器に入って売っている。パーツを買った帰りに職質に合うとかなりやヴぁいw (右)ScytheのGRAND KAMA CROSS。M/Bと比較すると判るが、かなりの大きさだ! ヒートシンクのフィン角度が絶妙で、メモリ周りの冷却が期待できる。


(左)写真では判り難いが、装着金具は左右にウィング状に開いており、これを下方向へ押し込むのだが、左側のシンクのブロック(青に2本の白いライン)と干渉して押し込めない!(右)金具の口が奥まで引っかかっていない!が、これが限界。それにしても、グランドワロスのヒートパイプは美しい。まるで手曲げマフラーの如き造形美である。


最後に、メモリ4枚を挿してM/B上での作業はいったん終了する(今回、メモリは全て同一製品なので、どこのスロットに挿しても問題はない)。
というわけで、まだまだ続く。