マルスウイスキー蒸留所

先週、厳しい残暑の陽射しから逃避すべく、クルマを駆って一路信州の蓼科へと向かったのだが、普段の行いがとっても良いおかげで、滞在の初日以外は全て土砂降りの雨w といっても、毎回この避暑地ではこれといった計画も立てずに、森林の散策や近所の池へと散歩に出かけるだけなので、とりたててダメージを受けたわけではない。だが、ただ別荘に篭っているだけではさすがに気が滅入ってしまう…そこで頭に浮かんだのが、以前このブログで紹介したマルスウイスキーの事。確か、伊那市の辺りに蒸留所があったはず! と観光ガイドを調べてみると、伊那市に隣接する宮田(みやだ)村と云う所にあるらしい。諏訪からは高速を使って駒ヶ根で降りる。距離にして、片道約60kmだ。あらかたの道筋を把握して出発。下戸のドライバーも居るので、試飲も問題ないw というわけで、マルスウイスキーの本拠地、本坊酒造信州ファクトリーへレッツゴー!


中央道の駒ヶ根インターで下車して4〜5分走ると、雨に煙るマルスウイスキーの蒸留所へと到着した。雨に煙る、と書くとカッコイイが、実際には土砂降りの雨w 
簡単な手続きを取った後、すぐに自由見学となる。豪雨にも拘らず見学者は意外と多く、かなりの盛況ぶり。


最初に向かった棟は樽の貯蔵庫。入った瞬間、樽香とモルトの匂いにクラっとくる。この樽1個で、何年くらいウイスキーの心配をしなくて済むのかなあ、などど、下らない妄想に耽る。写真では判り難いが、"本坊"のスペルが"HOMBO"である事を発見!



次に、仕込から蒸留までの施設へ向かう。解説は音声ガイドによるもので、かなり詳しく説明してくれる。
写真は糖化槽(上)と蒸留器(ポット・スティル)(下)。いわゆる"ストレートヘッド型"と言われるものだ。
この後、雨脚が一段と激しくなった為、隣接する地ビールの施設はオミットして、そのまま試飲所へと向かった。


試飲所はかなり広いが、無料試飲できるのは梅酒、ウイスキー、ワイン、葡萄ジュース、それぞれ1〜2種類と少ない。有料となるのはビール、モルトカスク)等。無料のウイスキーは以前紹介した『マルスアンバー』の新ブレンドだった。
最後に、販売所でみやげ品(自分向けw)を物色。シングル・カスクはロットナンバー入り200mlで4,000円前後と高めで、ちょいと手を出すのが怖い。無難な線で、一般に流通していないブレンド、『IWAI TRADITION』(1,850円)を購入した。

さて、今回のこの見学は、そこらの超有名な観光スポットよりも、遥かに有意義であったことは書くまでもないが、何よりも無計画というのが良かった。そういう方が自分には合っているのだ。偶発的な事象に起因する突発的な行動は、より強い思い出として心に焼きつくのだ。


マルスウイスキーの生みの親、岩井喜一郎氏の名前を冠した『IWAI TRADITION』。気品ある色合いが素晴らしい。