ニッカ『竹鶴12』で秋の夜長を愉しむでござるの巻

サントリーは『山崎』『白州』というシングルモルトの2大ブランドを擁するが、このニッカ『竹鶴12』に相当するピュアモルトのブランドが無かった(シングルモルトは同一蒸留所の原酒のみ、ピュアモルトは複数のモルトをヴァテッドしたものを指す。竹鶴は余市と宮城峡のヴァテッド)。そこで、新しい蒸留所名を冠した『北杜』というブランドを立ち上げたのである(あくまで推測です)。このうちブレンデッドの『北杜50.5』はキリンの『富士山麓』、ピュアモルトの『北杜12』はこの『竹鶴12』への対抗ブランドとして発売されたものと思われる。しかし、わずか数年でこのブランドは終売を迎える事となってしまう(当時書いたブログはこちら)。この竹鶴の人気には遠く及ばなかったのである。ただ、この北杜は50.5(ごーまるご)も12も、とてもよく出来たウイスキーで、個人的には非常に気に入っていたのだが、全てにおいて、やはり竹鶴に一日の長があったのだと言えよう。でもまあ、『山崎10』や『12』、『白州』と、この『竹鶴12』はちょっとした飲み屋に行けば、必ずお目にかかれるブランドであり、思っているよりも、かなり多くの人に親しまれているのである。余談だが、以前、ちょっとだけ高級志向の居酒屋で、何も知らずに頼んだ「竹鶴12のジンジャー・ハイボール」なるものは、割り材にかなり甘めのジンジャーエールを使っていて(ひょっとすると、ジンジャーエールとガムシロップか?)、あまりの不味さに閉口した。
さて、久々の竹鶴12である。普段書棚には、アイラ系のモルトが常時5〜6本並んでいるのだが、いよいよ本格的な秋を迎え(と言っても、正直、まだまだ暑いw)、この秋の夜長にモルトを嘗めながら読書を愉しもうという事で、普段口にしない何かを、と考えたのである。まあ、それほど高いものでもないので(2,100円前後。)、美味しくて、気軽に飲れる1本としてはベストなのである。実は先日、サブマシンのブラウザのお気に入りを整理していたところ、アマゾンのとある書籍のページがあった。当時、新聞の書評を読んで興味を持ったものの、そのまま忘れ去られていたものだった。3歳で失明した盲目の実業家が46年目に光を取り戻すという話で、ノンフィクションである。これを見つけ、俄然、この本が読みたくなり、すぐに注文したのだが、それがつい先日手元に届いたのだ。郵送されて来た封筒はとても分厚く、ずしりと重い。取り出してみると、なんと460ページもある。この読み応えありそうなやつを、旨いモルトを嘗めながら愉しもうと思ったのだ(なんて単純な頭)。だが、つい飲みすぎて、次の日、内容を殆ど憶えていなかったりする事もあるw あー、君、それ何の意味も無いから!


実は中古品で、98円+送料250円で手に入れたでござる。

46年目の光―視力を取り戻した男の奇跡の人生

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