お正月に何を聴く? 2012 前編

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

というわけで、今年一発目も、例によりまして、このお題で攻めてみようかと思います。
旧臘の飲み会で、ぐだぐだと呑んだ挙句、最終的に残った3人で、カラオケ屋へと行き着いたのですが、これだけ少人数になると、もう完全に趣味の曲に没頭できるわけで、まあ、普通は嫌われる洋楽なんぞもガンガンに歌えるわけです。最近よく一緒にスタジオで遊んでいるベースE氏と、ビートルズで行こうという話になったのだけれど、彼もビートルマニア(ビートルズの熱狂的なファンの呼び方)なので、有名な曲では面白くない。そこで、今宵はひとつ、ニッチな曲という縛りで行くことに。ところがどっこい、お互いにマニアック過ぎて、何がニッチなのかさっぱり判らないw 自分ではかなり好きなのだけど、一般的には人気の無い選曲で攻めてみたものの、"You Really Got A Hold On Me"を歌えば、打てば響くとばかりに、きちんとコール・アンド・レスポンスが成立するw 恐るべしビートルマニア! まあ、そんな感じで、楽しく年末を締めくくらせて頂きました。…というわけで、今年、最初に聴くアルバムは、ビートルズの2nd『with the beatles』に決定!
えーと、つまりこのアルバム、あまり人気が高くないという事なんですw  『Yellow Submarine』(アルバムの半分がオーケストラによるインスト曲)を除けば、恐らく『BEATLES FOR SALE』とビリを競うアルバムだと思います。その理由は、全14曲中、6曲がカバーであるという点かと思われます。これは1stからこの2ndまでの発売期間が非常に短く、アルバムを埋めるだけのオリジナル曲を用意できなかったというのが大きな理由なんですが、マニアにしてみれば、当時彼らが影響を受けた音楽に接する事が出来るアルバムとして、かなり重要なポジションにあるわけです。よく、オリジナルを凌駕するカバーは滅多にないと言われますが、逆にビートルズでは、オリジナルを遥かに凌駕していると言われる事の方が多いわけです。しかし、原曲を聴いてみると判りますが、ビートルズと言えども、やはりそれを超えてはいない、と、最近よく思う様になってきました。例えば、スモーキー・ロビンソン&ミラクルズ(Smokey Robinson & The Miracles)の"You Really Got A Hold On Me"を聴いてみても、ビートルズの編曲はかなりオリジナルに近く、逆に言えば、ビートルズ色があまり出ていない。更に、YouTubeで当時の映像を観ると、もう、卒倒するw スモーキー・ロビンソンのエロエロな歌い上げっぷりも然ることながら、ミラクルズ(鈴木雅之の手振りは、多分、彼等から頂いたもの)の怪しげな踊りに悶絶! いくらビートルズでも、これは超えられない!


そうそう、書き忘れましたが、この今年初めて聴くアルバムの為に、新しいボウモア12年(BOWMORE 12yo)の封を切りましたw 
さて、このアルバムには大人気のカバー曲が1曲あります。言わずと知れたマーヴェレッツ(The Marvelettes)の"Please Mr. Postman"。 というわけで、ビートルズに続く2枚目は、彼女達の1st盤『Please Mr. Postman』に決定! マーヴェレッツのキモは何と言ってもグラディス・ホートンのハスキー・ヴォイスに尽きるのですが、ビートルズのカバーと比較しても、ジョンのそれよりもかなり高度な節回しで歌っており、ジョンが絶叫で狂おしさを表現しているのに対し、オリジナルはもっとしおらしい。そもそもビートルズの場合、女性側の歌詞を男性側に変更してカバーしているので(例えば、"Boy Friend" は"Girl Friend"となる)、毛色が異なるのは意図しての事だが、やはり、このハスキー・ヴォイスには太刀打ちできない。また、最後の方で、歌の一節に大量のリバーブがかかる部分があるのだが、こういった手法は当時としては斬新だったはずだ。また、このオリジナル盤2曲目には、スプリームス(The Supremes)のデビュー曲"I Want A Guy"のカバーが収録されているのだが、歌い出しの"Ah〜ahah"から本編へと突入して行く辺りが、後のビートルズ1stに収録された"There's A Place"に非常に似ている。ビートルズは、他にも、モータウン特有のコール・アンド・レスポンスを多くの曲で取り入れており、当時、ジョンやポールがいかにモータウンサウンドに心酔していたかが窺える。


さて、このままモータウン関連のアルバムに突入かと思われたが、実はモータウン及びその周辺のアルバムを、あまり所有していないという現実がw そこで、このモータウンの本来の意味=Motor townとなるデトロイト、ここから連想できるものを引っ張り出そうと思いつく。まあ、キッス(KISS)の"デトロイト・ロック・シティ"(Detroit Rock City)の事なんですけどねw ところが、である。この曲の入ったアルバム『地獄の軍団』("Destroyer"1976)がどうしても見つからない…。CDも枚数が多くなると、たまにこういう事が起きる。 意地でもみつけてやろうと、探すこと小一時間。すっかり酔いも醒め、結局は諦めるハメに。あーあ、どこへ行っちゃったんだろう、オレの地獄の軍団w というわけで、ここはYouTubeでお茶お濁す事と相成りました。



左:090909リマスターでSTEREO盤がオフィシャルになる以前に流通していた、ビートルズ2ndのSTEREOブート盤。右:マーベレッツの1st。この写真では判り難いが郵便受けには蜘蛛が巣を張っていて、配達員が素通りしている。
この項続く。