ポール・マッカートニー & ウイングスの『ロックショウ』≪完全盤≫がBDで発売に!

最近じゃあ、どんなレアな動画でもYouTubeをちょこっと漁れば大抵はお目に掛れる。だから、今月号の『レコード・コレクターズ』(2013年06月号)を読んだ時、この超有名な『ロックショウ』("ROCKSHOW" Paul McCartney & Wings)が未だにBD、いや、DVDにすらなっていなかった事に正直驚いた。まあでも、考えてみれば、映画『レット・イット・ビー』("Let It Be" The Beatles)ですらDVD化されていないんだから、然もありなんといったところか。というか、こんなちんたらとリイシュー作業をしていたら、リアルタイム世代のビートルマニアはマジ死んじゃうってw いや、笑い事じゃなくてさ。



ところで、この映像作品は、アルバム※『ウイングスU.S.A.ライヴ!!』のリイシューと同時にプロジェクトが発足したと思われる(※今回のリイシューにあたり『ウイングス・オーヴァー・アメリカ』=オリジナル表記に改題された)。アルバムは、当時LPで3枚組みという長尺モノであったにもかかわらず、記録的なヒットとなったが、こちらの映像の方は、各地のライブ映像を編纂し、音源もかなり録り直したらしく、公開されたのは1980年と、随分と後になっての事だった。記憶ではその5〜6年後にTV放送され、それをビデオ録画していたので、そいつをそれこそ飽きるほど(いや、一向に飽きなかったが)観たのだった。しかし、録画メディアがβだったので、ハードがオシャカになってから十数年、今回購入すれば(まあ、YouTube等を除けば)久々の再会となるわけだ。
そういえば先日、バンド仲間でジミー・ペイジ信者の女性ギタリストと話をしていて、たまたまウイングスの「ロック・ショー」(紛らわしいが、アルバム収録曲の正式タイトルは「ロック・ショー」、映像作品の正式タイトルは「ロックショウ」なのだ。)の話になり、この歌詞は(ライナーノーツによれば)近未来のコンサートを描いたもので、だから、歌詞中の"ジミー・ペイジが持っていたやつに似ている"の部分は、ギターを見たことが無いからそれがどんなものなのかよく判らないって事なのだと教えたら、「ジミー・ペイジを知っているのにギターを知らないのはおかしい」と切り返された。なるほど、言われてみればその通りだw ついでに、デニー・レインのWネックギターも、似てたやつ=要するに、ギブソンではなく、アイバニーズなんだな。まあ、ギター以外にはヴァイオリンの弓って意見もあるんだがw それで、とにかく、ZEP関係の話で盛り上がったわけなんだが、今月の『レココレ』を読んで一番驚いたのが、ポールの映像作品『ポール・マッカートニー・アンソロジー1970-2005』の中で、この時のツアーでボンゾが追っかけをしていたとの発言がある、という記述。彼は、毎回最前列に居たそうで、もちろん、関係者扱いなんだろうが、超大物アーティストが、ツアーを追っかけていたってのには正直驚いた。そういえば、当時のウィングスのドラマー、ジョー・イングリッシュはどことなくボンゾに体型が似ているしw まあ、とにかく、自分が敬愛して止まないドラマーが、このツアーを追っかけていた事実が何よりも嬉しかったのである。
さて、今回のこのリイシュー、30数年の時を経て完全盤がパッケージ化されたわけだが、当たり前だが、この時ポールはまだ三十代前半である。しかし、この当時がウイングスの絶頂期であったとも言える。久々に『ヴィーナス・アンド・マース』を聴いてみると、信じられないほどのアイデアが凝縮されていることに戦慄すら覚える。このわずか数年後、ウイングスは失速し1981年に解散してしまう。ツアー後の1977年、レコーディング途中に脱退したジミー・マッカロクはその僅か2年後に、ヘロインのオーヴァー・ドーズで命を落とす事となる。そう考えると、この『ロックショウ』は、彼らの一瞬のきらめきを捉えた、奇跡とも言える記録映像なのかもしれない。

OPの"Venus and Mars"の冒頭、歌詞にシンクロして"レッド""グリーン""ストロベリー・ワイン"の順にスポットライトが点灯していく様が幻想的だ。

ウイングス・オーヴァー・アメリカ

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ロックショウBlu-ray【日本語字幕付き】

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ロックショウDVD【日本語字幕付き】

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