鯛の昆布〆を作ろう

この世の中で一番好きな酒の肴を選べ、と訊かれれば、間違いなく"カラスミ(唐墨)"と答えるだろう。カラスミは鯔(ボラ)の卵だが、あのねっとりとした濃厚な味わいは、同じ魚卵の高級珍味であるキャビアですら、足元にも及ばないと思うのだ。ただ、難点を挙げれば、それは価格が高いということ。ゆえに、いつでも口にすることが出来るわけではない。まあ、高級珍味なんてものは、滅多に食することが出来ないからこそ、ありがたいってものかもしれないけど…。
さて、鯛である。腐っても鯛といわれるほど、魚の中でも鯛は別格である。「めでたい」という語呂合わせで祝い事には欠かせない魚で、価格も張るが、だからといって、とことん高価で、庶民には手が届かないという程でもない。そんな鯛を使った最高の酒の肴が"鯛の昆布〆"だ。しかも、どんな料理の素人であろうと、簡単に最高の味が引き出せるので、酒飲みは自分で作ってしまおう。
作り方は到って簡単だ。まず、昆布を用意するが、これは最高級の利尻昆布でも、安物の早や煮昆布でも何でもいい(まあ、高いほうがいいけどw)。1:1で酢水を作ったら、昆布を漬けて、しんなりさせる。次に鯛の柵(柵は背身でも腹身でもお好きな方を)に振り塩をして10分程度置き、水が出たらペーパーでふき取っておく。柵を先ほどの昆布でしっかりと包み、ラップをして冷蔵庫で寝かせる。好みにもよるが、刺身のプリプリ感がお好きな方は2〜3時間で食してもおいしい。しっとりとした食感が好みであれば、丸1日寝かせてもよい。更に2日ほど寝かせて、飴色になったものを鯛茶漬け(使用した昆布から出汁を取る)として食せば、そのまま天国へ逝けるw そこらの、袋に入った珍味に数百円も出すなら、断然、鯛の昆布〆を作る事をお勧めする。


こちらは3時間程度寝かせたもの。

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誰でも簡単に出来るが、昆布、酢水、塩加減、寝かせる時間を工夫して、好みの味を目指せ!