Charの還暦コンサートへ行って来た!

6月15日、Charの還暦、正確には還暦前最後のコンサートへ行って来た。会場は武道館。ここを訪れるのは実に久しぶりの事、というか、ホールでのコンサート自体が久しぶりだったので、数日前から高まる期待に胸を膨らませていた…というわけでもなく、なぜか淡々とした気持ちでこの日を迎えた。それはきっと、最近好きになった、とか、今をときめく、とか、そんなふうに急激にボルテージが上がって好きになったアーティストのコンサートではなく、長年聴いてきた音楽…そりゃまあ、ずっと夢中だったってワケじゃないけど、なんとなく傍らに存在していた、そんなアーティストのコンサートだからなんだろう。
そんな気持ちからか、武道館へ到着したのも開場時間をちょっと過ぎた辺り。その前にセブン11でビールなんぞを調達し、大きな玉ネギの下に集まる、自分達と明らかに年齢層がダブるオッサン、オバハン達を眺めながら、相棒としばしの間雑談を交わす。この相棒はウチのギタリストなんだけど、彼は生粋のCharファン。これだけ長い間ファンをやってるんだから、そりゃもうCharの生き字引と呼ばれる程の知識を持ち合わせ…るって事は全くない。まあ、上手く説明出来ないが(恐らく本人も)、自身のギタースタイルの礎となったギタリスト、という存在だからなのかもしれない。それは、我々がやって来た音楽が、コピーではなくオリジナルだった事に起因しているのだろう。





さて、本題に戻ろう。今回のコンサートは還暦祝いという事で、事前に発売されていたニューアルバム『ROCK +』("ロック・プラス"=六十に引っかけたタイトル)の曲がメインとなった。収録曲を全曲(十二支分の12曲)+1曲を見事に演奏。それぞれの作曲者がゲストとなっていたため、泉谷しげるムッシュかまやつ奥田民生布袋寅泰ユーミン福山雅治山崎まさよし、等が一堂に会した一大イヴェントとなった。余談だが、福山雅治がゲストとして登場した瞬間、会場の女性ファンが俄かに色めき立った。あちこちから、"まちゃ〜♡"という(もう黄色いとは言えない)声援。おいおい、お前等誰のファンだよ、と心の中で突っ込みを入れたのはオレだけじゃあるまい。まあ、しかし、ゲストはCharを立てて、あくまでもプレイヤーとしての立ち位置を崩さなかったのには好感が持てた。もっとも、福山がコーラスとかやったら、持ってかれちゃっただろうなw
さて、本編は無事終了したが、なんと、この間、何本ものギターを持ち替えたにもにも拘わらず、ムスタングは一度も手にしていない。アンコール2曲目、「Shinin' You Shinin' Day」でようやくそれを担いだ。ここでは、ゲストが勢揃いし、全員がコーラスとして参加。彼等が捌け、曲が終わったその刹那、「Smoky」に突入。何の前触れも無く始まったその曲は、大げさに言えば、夢にまで見た瞬間でもあった。でも、やっぱりだけど、ジョニーのドラムで聴けたらなぁ、なんて思ったら、ちょっと涙ぐんだりもした。
さて、コンサートは滞りなく終わり、九段下駅までの坂道をダラダラと歩きながら、ああ、この心地良い倦怠感はいくつになっても全く変わらないんだなぁ、なんて思いつつも、そんな感慨は、早くビールが飲みてえなという気持ちにいつの間にか掻き消されてしまうのであった。


ROCK 十

ROCK 十