クソ暑い週末をJAMで乗り切る

梅雨も明けていないというのに今週末は猛暑となった。本来なら別口で飲み会となるはずの土曜日、それがお流れとなって、急遽スタジオが決まった。今回の面子は、中学時代の友人と生まれて初めて組んだバンド、"Sophie"(このバンド名はJeff Beckの名アルバム『ワイアード』に収録の曲から)。このバンド、別段これといった目的もなく、だらだらとスタジオで過ごすのが常で、まあ、あえて言うなら、スタジオ後の飲み会の為に集合するといった感じだ。ところで今回、スタジオ迄2時間ばかり空きが出来たので、ベースと待ち合わせて一緒に居酒屋へ直行した。うだるようなアスファルトの灼熱地獄から解放され、ようやく一息付けたのだが、しかし、この2時間が意外と長かった。いや、普通に飲めばあっという間の出来事なんだが、思う存分飲めないとなると、どうにも時間の流れが遅く感じる。もう、すっかりぬるくなったハイボールをちびちびやるってのは、それなりに苦痛だが、それでもまあ、スタジオは同じくらい楽しいから、この苦痛は相殺されるというわけだ。
さて、今回は、ほぼ完全にインプロビゼーションのみのジャム・セッションとなった。別にライブではないので失敗は許されるのだが、それでも失敗はしたくないといった、張り詰めた感覚。こう来るんじゃないか?という予測の元に演奏をすると、その裏をかいてくる…なるほど、そう来たか。と、様々な思惑と、緊張と緩和の中で、音が紡ぎ出されて行く事の快感。昔、高校生の頃、真夏に部屋の窓を完全に閉め切った中でのジャム・セッション。それこそ、体が溶けてなくなっちゃうんじゃないかと思うほどの室温の中で、ただひたすら音の洪水に身を委ねていた。それからウン十年。演奏出来る環境は随分とランクが上がったが、スタジオ上がりの一杯を飲み干してバカ話に興じる辺り、3人の本質はあんまり変わってねぇな、なんて思うのであった。